クラブヴォーバンとは

クラブヴォーバンとは、環境先進都市ドイツ・フライブルク市において最も優れた事例であると世界中から評価されている『ヴォーバン住宅地』の先行事例に学び、さまざまな分野の方々との交流・情報交換などを通じて、持続可能な環境共生・低炭素型のまちづくりに取り組むプロジェクトです。

2008年7月、地球温暖化防止、低炭素社会実現のために再生可能エネルギーなど普及を推進するNPO法人ソーラーシティジャパンの住宅・まちづくり部門として発足。翌年7月、一般社団法人クラブヴォーバンとして独立しました。

日本のまちづくりを変革するために

日本では高度成長期を終えた段階から、年齢別の人口動態の傾向、とりわけ急速に加速する少子化と高齢化に対応するため、新しい都市計画、まちづくり、そして住宅政策を行うべきでした。さらに90年代からは気候温暖化、および化石燃料のピークという問題も追加されたため、この新しい取り組みは、緊急に必要なものでした。

しかし残念ながら、これまでのところ新しい政策は何も始まっていません。取り組みも散発的で、すでに国交省の出した長期展望にも示されている通り、ジリ貧となることがプログラムされています。こうした状況の中で、日本のまちづくりの未来を変革するため、この「10のコンセプト」を基本にした都市計画やまちづくり、そして住宅政策が行われることを期待しています。

とりわけ東日本大震災を経験した311以降、この取り組みの重要性は明確に高まり、持続可能な復興計画、あるいは新しいエネルギー政策を求める声も強くなってきています。ぜひ、皆さまもクラブ・ヴォーバンというサロンを活用し、新しい社会を築く取り組みの第一歩を踏み出しましょう。

村上 敦 (むらかみ あつし)
club Vauban 発起人

1971年生まれ。ドイツ・フライブルク市在住、環境ジャーナリスト。技術者としてゼネコン勤務を経て、97年に渡独後、まちづくり、交通計画、エ ネルギーを主なテーマとして、ドイツや欧州の先進事例を調査、日本に情報発信している。Office Murakami代表。電子・紙媒体を問わず、数々のレポートを執筆。企業のコンサルティングも行う。

HP http://www.murakamiatsushi.net/
書籍紹介:クラブヴォーバンを知るために»

本当の意味で世界に誇れる住宅づくりを考えたい

かつて、日本の建築物、特に木造建築物は世界に誇れる技術を持っており、それが反映された建築物が多く存在していました。 しかし、戦後に大きく様変わりし、大手主導で、利益追求型の住宅販売を行ってきた結果、山は荒れ、技術を持った職人さんの仕事は減り、機械化された工場出荷の住宅が氾濫しました。気が付くと日本は先進国でも最低の家とまちづくりが行われる国になってしまいました。 日本の住宅の寿命は25年前後。欧米では60年、80年の寿命が当たり前です。

エネルギーコストの面でも、ドイツに比べて日本の住宅性能は7分の1もしくは10分の1くらいの性能という極端な差がつきました。国によって、エネルギー戦略によって住宅の性能がこれほどまでに違いが出るのかと、業界で15年関わってきた人間として自分自身、愕然と致しました。

そして、3.11では一番恐れていた事故が起きました。日本の国民の皆様もこの問題を考えるきっかけになったことに間違いはありません。
クラブヴォーバンは、あくまでもクラブであり、意欲ある人びとが集うサロンです。未来の子どもたちが安心して生活できる“まち”を、国を、そして地球を残す。そのためにはどうしたらいいかを一人ひとりが考えていくサロンにしたいと思います。

早田 宏徳(そうだ ひろのり)
club Vauban 代表理事

マングローブクリエーション(株)代表取締役。91年陸上自衛隊 少年工科学校卒業。建材メーカー、ゼネコンの下請け工事会社を経て、山梨No.1、宮城No.1のビルダー2社にて取締役13年間で3300棟の住宅お引渡しに関わる。

09年に独立後、平日は工務店、設計事務所などに向けて年間100回超のセミナーを開催。また、週末には一般の方を対象にセミナー・個別相談会を開催。環境問題にも精通し、環境NPO法人の理事も務める。ファウンダー村上氏より、日独のエネルギー事情・国策の違いを学び、日本における住宅事情との違いを認識。業界だけでなく、一般ユーザーまで浸透するように活動中。

エネルギー自給型の住宅、素敵な楽しいまちづくりを

ソーシャル・エコロジー型のモデルとして
私が初めてフライブルクを訪れたのは1997年9月。ヴォーバンはまだ建設計画が始まったばかりでした。ソーラーでエネルギー自給を考えたプラスエネルギーハウス、古い町並み、昔からある大きな樹木をどう生かそうかなど、様々な案があふれていました。
フライブルクは環境都市と言われていますが、学生の町でもありますので何か自由な発想があふれているような気がします。朝早くから朝市が開催され、あちこちで綺麗な花々が咲き誇っています。私が、朝、散歩した時には教会で結婚式が行われていました。

数年後、ヴォーバンに再度訪れた時には、路面電車が開通し、古い町並みを残しながら、新しい素敵な町に変わっていました。公園にはパン焼き窯が設置されていたり、省エネ住宅をはじめ、屋上緑化、太陽熱利用などが設置されていました。
その他、公共駐車上のガレージの上には太陽光発電、町の中心には木質バイオマス利用の施設がフル稼働していました。

「ヴォーバン」それは住まい方を大切にする素敵な町でした。それぞれの国、地域にはそこにあった住まい方があるはずです。そのような素敵な町を皆さんと一緒に創りあげること。それがクラブヴォーバンです。

柴田政明(しばた まさあき)
club vauban 理事

株式会社エイワット代表取締役。自然エネルギー協会会長。関西環境取引所 代表理事。NPO法人EEネット理事長。NPO法人次世代エネルギー研究所副理事長。NPO法人環境エネルギー農林業ネットワーク再生可能エネルギー部長。福岡大学非常勤講師。

1994年エイワット代表取締役就任後、デンマーク、ドイツで環境政策、再生可能エネルギー技術を学ぶ。2001年坂本龍一らとともにArtists’Powerを立ち上げ、自然エネルギーの普及推進を始める。国内に限らず、マーシャル諸島、スリランカ、バングラディシュ、インドネシア、上海、パプアニューギニア、マダガスカル共和国など、海外とも連携をはかり、未来の子供たちへ、たくさんの選択肢を残すべく精力的に活動中。