CV理事の中谷哲郎・元住宅リフォーム新聞社編集長にインタビューをしました!

クラブヴォーバンの理事・中谷哲郎氏の前職は、住宅リフォーム関連の新聞社の取締役編集長でした。

「昔は省エネや環境には全く興味がなかった」と言い切る中谷氏。それなのになぜドイツのヴォーバン住宅地や「持続可能なまちづくり」に惹かれていったのか?きっかけや、現在の仕事について伺いました。

◉ 転換点

約10年前に取材で早田さん(CV代表理事)に出逢ったのが大きかったですね。

その時は、省エネや環境には興味はありませんでしたが、「地方を元気にするために、住宅リフォーム産業にいる自分としても何かできるのではないか」ということだけは常日頃考えていました。家を持っている人が、ただ壊れた所を改修するということではなく、もっといい家にするというポジティブな再投資をすることで、暮らしをより豊かにしながら、新たな産業創造につながるのではと強く信じていました。

 

そして開眼

早田さんと取材で何度もお会いするうちに、ドイツ在住の村上さん(CV代表)を紹介され、セミナーに誘われたのがすべての始まりでした。

「ドイツでは、住まいをリフォームすることで、住んでいる人も豊かにになり、地域も元気になる」

「おー、これだ!私がやりたかったことだ!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。

しかし、リフォームの内容が私の想定していたそれと全く異なる「省エネルギー」という考え方でした。その話を聞いてから、ドイツに行ってその街をこの目で確かめたい!と思い続け、フライブルクのヴォーバン住宅地に行ってみたのです。

 

◉それまでの自分は小さかったとの気づき→アクション

「省エネルギー」という考え方は、人の暮らしを良くし、地域で新たに雇用を生み、地域全体が豊かになる。そんなヴォーバンの思想に触れて、ただリフォームだけを考えていた自分のそれまでの考えはちっちゃいなと思いました。

当時の仕事に限界を感じ物足りなく感じていきました。それで、新聞社の仕事をしながらもクラブヴォーバンの活動に傾倒していきました。


ドイツでは「働き方」の仕組みも日本と全く違う!
日本人は、30年経つと資産価値がゼロになる家に、30年ローンを組んで借金を返し続けます。ドイツでは、省エネなどの断熱改修をすることで、年数が経っても家の価値は下がりません。

「私たちは一体、何のために働いて、何のために生きているのか?無駄なものにお金を使っているんじゃないか?何のために、いただいたお金を使うのか?」と思います。

日本では、個々の技術とかビジネスは、素晴らしいものがあると思います。でもそれぞれがバラバラで、「全体の最適化」が考えられていないと思います。もしその個々の技術ノウハウがCVに結集すれば、日本でも「ヴォ―バン住宅地」ができるのではと思い始めました。

それが、今、われわれメンバーの共通の夢になっています。

ビジネスを通して、夢を実現する
しかし実際に夢を形にするためには、ビジネスにしていかないと、きれいごとだけでは進まないと思います。

「価値」をみなさんに提供し、人に感謝されて、お金もいただいて、社会をいい方向に変革していく。ビジネスをしながら持続可能な組織・活動でありつづけたいと思います。


離職と新会社の設立
仕事を続けながらクラブヴォーバンで普及活動をやっていましたが、ヴォーバンの思想を本格的に広げていきたいと思い、前職を辞して2012年に(株)日本エネルギー機関(JENA)を立ち上げました。

「省エネのコンサル会社をつくろう」が立ち上げのきっかけでした。CV設立の後、エネルギーパス(建物の省エネ性能評価の指標)の普及団体として一般社団法人エネルギーパス協会が設立されましたが、そこは教育機関なので具体的な個々の会社のケースには深く関われません。

そこで、個々の企業へのコンサルタントをする会社を立ち上げ中谷の仕事をつくろう、ということでみんなが協力してくれました。

 

「JENA(株)日本エネルギー機関」の名称について

ドイツには、公的機関として、ドイツエネルギーエージェンシーという機関があります。ドイツでのエネルギー政策やノウハウを国内外に提供している機関です。最近では中国に対してエネルギーパスの仕組みを提供したのもドイツエネルギーエージェンシーです。

素晴らしい組織だなと思っていたら、日本には、そのような機関がない!?だったら日本で作ろう!ということで、壮大な名前を社名にしたのです(笑)

 

JENAの仕事

一言で言うと、「持続可能なまちづくりをすすめていくための情報ビジネス」です。

まず、建築業界のプロの工務店や材料屋さんなど、省エネに取り組みたい企業向けにコンサルを行ったり、マンション丸ごとの省エネ改修のコンサルを行ったりしています。

また、2012年にドイツと日本の国交省同士の勉強会のコーディネートをやりました。ドイツ在住の環境コンサルタントの永井宏治さんとのご縁もこの日独国交省勉強会です。日本は、壁や床などの躯体性能は悪いけれど、エアコンなどの設備機器はいい。でもドイツはその逆なんです。だからお互いの情報交換の勉強会をやろうという話になりました。そのご縁で、その後もドイツの環境大臣や国交省が来日するイベント関連の仕事はJENAが窓口をしています。

また、2008年から毎年CVで行ってきたドイツ視察を、今年度からはJENAで執り行うことになりました。 (JENAへリンク)

日本のみなさんに伝えたいこと

もっと日本の人にヴォーバン見に行ってほしいと思います。実際に街を見て感じて、日々の生活の中でみんながアクションすればいいだけだと思います。

都市計画もなにもかもドイツと全く違う日本ですが、みんなが素敵・住みたいと思うヴォーバンのような街が日本で1つでもできたら、世の中が変わっていくと思います。

 

◉今後CVでやっていきたいこと

民間でできることは限られているので、行政や自治体の人たちとも一緒にやっていきたいという気持ちがずっとありました。

その意味で、「持続可能な発展を目指す自治体会議」(リンク)が去年立ち上がったのは、重要な意味があると思っています。一歩一歩理想には近づいてきていると思います。

 

◉おもしろいから、やっている

CVの中では、それぞれの役割が違います。建築の人、建物を評価する人、再エネの人、、、。それぞれの得意分野を持ち寄って、フラットに運営しています。自分で自分のビジネスをやりながら、お互いに寄りかかり合うこともなく、それぞれ多忙だけど、自己責任で、それぞれの人脈も持っていて。

CVは理想的な組織です。記者時代に業界3000社くらい取材してきたけど、ここが一番おもしろい!

だから、今、ここにいます。笑

 

インタビューを終えて…


頭ではわかっていても、「環境にいい」というだけでは、なかなか人はモチベーションを保ち続けて動き続けることは難しいと個人的に感じています。

仕事や仕事で関わる人がおもしろい!と楽しげに語る中谷氏の話を伺っていると、「環境」+「楽しい」=「持続可能なまちづくり」の土台なのかなと思いました。

CVは「持続可能なまちづくり」をキーワードに、多様な職業・年齢の人たちが集う「場(サロン)」です。関心がある方は、ぜひCVのセミナーや懇親会にご参加ください!

コメント: 2 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

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