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エネルギー自立地域経済好循環 × イノベーション 
                 持続可能なまちづくり
2022/06/13
脱炭素社会における個人での移動手段。 世界に目を向けると、近距離では自転車交通が新しい時代を迎えていますが、中距離では内燃機関を持たない電気自動車(BEV=Battery Electric Vehicle)で賄われることが、これからの将来のほぼ既定路線となっています。...
2022/06/07
代表の村上より、「金融と計測からの日本の脱炭素戦略」についてのレクチャーとディスカッションでした。 皆さんは、「CDPスコア」と言われて、ピンときますか? それでは「TCFD」とは?「GHGプロトコル」の「スコープ3」とは?...
2022/02/28
2021年10月22日(金)、第5回目となる自治体相互視察では、クラブヴォーバンの自治体正会員の北海道のニセコ町を訪問しました。コロナ禍の影響もあり昨年は開催できず今回も開催は難しいと考えていましたが、片山町長からのお声がけもあり、ギリギリのタイミングでニセコ町にて現地開催することができました。今回は正会員自治体の下川町、二戸市、葛巻町、横瀬町の他、羊蹄山麓の蘭越町、真狩町、京極町、倶知安町、留寿都村からのご参加も合わせ、30人超の参加となりました。
2022/02/28
前回は、片山町長の呼びかけでニセコ町現地とオンラインにて持続会が開催され、クラブヴォーバン正会員自治体だけでなく、羊蹄山麓の5町村からも参加があり、現地にて視察も行われました。環境モデル都市・SDGs未来都市に選ばれたニセコ町の、CO2排出量を抑えた持続可能なまちづくりに向けての、新庁舎更新・公共施設の省エネ化・SDGs未来都市などの取り組みを中心に紹介がありました。 今回は、正会員の自治体がそれぞれ、自身の自治体におけるこれまでの気候温暖化対策、環境政策、公共施設の合理化などの現状について振り返りながら、自身の自治体における環境・温暖化・公共施設に関する動向で、この1年間で「新たに」生じた、取り組んだ、進んだ事柄・動き・施策・プロジェクトについて、発表を行いました。また各自治体の抱える課題や悩みに対し、専門家や参加自治体などから、アドバイスやヒントが共有されました。 =========================================== まず代表理事の早田より、おそらく内閣府だと思うが、脱炭素の先行地域の募集が始まっているので、全国の自治体の中で先行しているはずの皆さんもぜひ申し込みの準備をしてください、との開催の挨拶でした。代表の村上より、地域で何ができるか、その優先順位についてはこれまでここで十分行ってきたと思っているので、今後は皆さん自身の自治体で、環境や脱炭素、公共施設などインフラで、どういうことに取り組んでいるかについて、お互いに報告し合っていただきたい。それが他自治体さんへの刺激にもなり、こういうことを更に聞きたいというのであれば担当者の方と話ができる。担当者同士で悩みを共有し、その議論の中で、皆さんにとって、この部分はもっとインプットした方がいいと思うことがあれば、環境省や経産省や内閣府の担当の方や、その部分における専門家を招き、皆さんに情報をインプットしていこうと思っている、との話でした。 その後、正会員の自治体の担当者より、公共施設の再エネ化や省エネ化の取り組み、再エネによる乱開発の抑制をしたり省エネ建築を促進するための条例づくり、超省エネ新庁舎の実際のエネルギー消費量計測報告、民間による風力発電開発やバイオガスプラントと公共との連携、空き家を活用した省エネ住宅促進のための補助金事業、公共施設個別施設計画策定や地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の改訂、中学校の断熱改修、断熱ワークショップの動画作成と発信による省エネ改修の申請件数の増加、地球温暖化対策実行計画の推進新体制、来年度に向けた脱炭素ロードマップ策定(いわゆる区域施策編)の準備、来年度の「地球温暖化対策」を入れた予算編成、地熱発電における民間の地熱資源活用に関しての課題と対処など各地のさまざまな事例とともに、課題や対処法などが共有されました。 また千葉商科大学基盤教育機構准教授の田中信一郎氏から、環境省の地域脱炭素に向けた動きについての情報共有がありました。国会で、地球温暖化対策推進法が改正され、これまで策定義務がなかった小規模市町村においても、地球温暖化対策の地方公共団体実行計画の区域施策編、いわゆる地域全体の脱炭素の計画を策定することが、努力義務になりました。それをどういう風に作ればいいのかという助言を、国から各自治体に対して行うということになり、小規模自治体においても使えるマニュアルにしようということで田中氏も委員として取り組みました。 脱炭素のために何でもやってください、というよりも、むしろ脱炭素を手法として、地域の活性化や地域の課題解決をメインでやってください、という考え方が強く打ち出されています。でも小さな自治体では温暖化対策の区域施策編を単独で作るのが難しいでしょうから、総合計画やほかの計画と合体させて温暖化対策の性格を持たせてもいいということにしました。CO2の排出量の調査をやるというよりは、小さくてもいいので具体的な施策を1つでも2つでもいいのでやって、まずは正しい方向でしっかり成功事例を作り積み重ねていきましょう、ということになっています。そして、これらの事例の一部に、クラブヴォーバン持続会正会員のニセコ町や北栄町の取り組み事例が紹介される予定、とのことです。クラブヴォーバンがこれまで持続会でやってきた考え方がほぼそのまま、国から自治体にやってください、という方針になるようです。
2022/02/28
前回は、住宅の省エネについての現状と今後の展開について、埼玉県横瀬町から取り組みの発表と悩みの共有があり、クラブヴォーバン(CV)のメンバーやオブザーバーの省庁関係、地域電力、大学や研究所などの専門家の方々から、補助金など制度設計についてのアドバイスや意見の交換がありました。今回は、北海道ニセコ町の高気密高断熱の新庁舎が5月に完成したこともあり、急遽片山町長の呼びかけでニセコ町現地とオンラインにて持続会が開催され、クラブヴォーバン正会員自治体だけでなく、羊蹄山麓の5町村からも参加がありました。 また翌日には、現地にて視察も行われました。環境モデル都市・SDGs未来都市に選ばれ、2020年には気候事態宣言も出したニセコ町にとって、町の脱炭素は急務の課題です。今回は、ニセコの超省エネの新庁舎建設やSDGsモデル街区開発の取り組みを通して、CO2排出量を抑えた持続可能なまちづくりのために、地域で取り組みやすく効果が高い政策、また公共施設更新で高性能な建築を考える場合に、将来的な設備更新についても考慮し、基本的に押さえるべきポイントなどをインプットしました。 =========================================== 今回ニセコ町の片山町長より「持続可能な発展を目指す自治体会議 ようこそSDGs未来都市ニセコ町へ」について。ニセコ町のこれまでの民主主義や住民参加と情報共有によるまちづくりの取り組みの事例として、まちづくり町民講座や、人気施設となった道の駅や町の図書館、日本初の自治基本条例となる「ニセコ町まちづくり基本条例」があり、これらの20年に及ぶ政策が2013年には環境モデル都市に、2018年にはSDGs未来都市に、国より選定されたことにつながったとのこと。2020年には気候非常事態宣言・ゼロカーボン宣言を行い、環境基本条例の改正や、再エネ条例、自転車条例制定などを実施、温室効果ガスの排出量を2015年比で2050年までに86%削減、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを掲げ、取り組み中。CVとの付き合いは、代表の村上の著作を読み、いいことがたくさん書かれているなと感心して始まった。その中に、「日本からドイツのヴォーバンの取り組みを視察に来た人は、素晴らしい取り組みだが日本は法律など状況が違うからできない、と言い訳して皆何もしない」のような下りがあったので、皆がやらないならば、ニセコ町がやってやろう、と思った(笑)とのこと。CVと2015年「持続可能な発展を目指す自治体会議」を一緒に設立し取り組みを進めているとして、町長が付箋をたくさん貼られた村上の「キロワットアワー・イズ・マネー」の本を、会場で回覧していただきました。 次にCV代表の村上から、「新しい段階に突入した気候非常事態と小規模自治体で実施すべきこと」について。脱炭素社会に向けて、世界の経済界ではどんどんゲームチェンジが進んでいます。ドイツでは日本の311後を受けて再エネ投資が急速に進み、2020年の電力消費量に対して、再エネ発電の割合は45%に!ちなみにドイツの再エネ電力は、大手エネルギー会社によるものは3割程度で、32%が市民、11%が農家、24%が地域の中小企業の出資によって運営されています。つまり、再エネによる利益の約7割は、地域に配分されています。高断熱・高気密の省エネ建築も進み、現在はUa値0.3W/㎡K以下、C値0.2cm2/m2以下の高断熱・高気密の建物でないと、ドイツでは新築することができません。日射遮蔽対策や、樹脂か木製サッシのトリプルガラスは必須・標準となっています。 ドイツでは建物エネルギー法が施行、すべての暖冷房する建物を対象として、2021年以降に建築確認を申請するすべての建物はnZEH、nZEBとなり、既存建物に対しても、高断熱・高気密への改修が進んでいます。自家用車の販売はEV車に完全にシフト。電力の需要/供給のバランスの柔軟性の追求により、皆が一斉に暖冷房せず、一斉にEVに充電しないインフラができた上で、再エネで余った電力を交通でEV車や鉄道に使ったり、熱にしてヒートポンプや電熱線に使うなど、セクターカップリングを行っていく必要があります。例えば、人口5千人、世帯数2200のA町において、1世帯あたりの年間エネルギー支出を30万円とすると、ざっと毎年15億円ものお金が域外に流出していることになりますので、このうちの一部でも域内に循環させるために、各地域で、省エネ・高効率化・再エネを絶対的に推進する必要があります。皆さんの自治体でもぜひ取り組んでください、とのことでした。 次に、ニセコ町都市建設課課長の黒瀧氏より、「公共施設で飛びぬけた断熱性能を創る~ニセコ町庁舎のご紹介」について。2011年の震災時以来始まった、防災を含めた、新庁舎をどうするかという議論について、町長・議員・町民・町民などあらゆるステークホルダーとの間で丁寧な話し合いを重ねてきた経緯が語られました。5月にスタートした新庁舎の円形の議会室は、年に4回の議会以外は町民のイベントで使えるようにし、2回の羊蹄山やアンヌプリなど山々の見える眺望のよい空間は、フリースペースということで町民に開放されています。地元の木材や、地元の方が作った机や椅子などを極力使い、窓はアルゴンガス入りトリプルガラスの白樺の集成材を使った木枠、外断熱は北海道の通常の2倍以上の23.5㎝の断熱材を使い、躯体外皮性能0.18W/㎡Kを実現し、全国の庁舎でもトップレベルのかなり高性能の躯体となり、夏も冬も最小限の光熱費で職員・町民が快適に過ごせる庁舎となりました。 次に、株式会社ニセコまち 事業推進室長の宮坂氏より「SDGs未来都市の取り組み~NISEKO生活モデル地区構築事業の進捗」について。ニセコ町が2018年に「SDGs未来都市」に選定され、その中核事業になるのが、NISEKO生活モデル地区構築事業で、その事業に携わっています。経済の面では地域内経済循環を促進、社会の面ではコミュニティの活性化、環境の面では省エネ・再エネに取り組むこと。ニセコ町では2000年頃から移住者が増え、核家族化も進み世帯数が急増しており、住宅不足がひっ迫した地域課題です。また、20~30年前に町内に大きい家を建てたが、子どもが独立して夫婦二人だけとなりメンテナンスが大変など、住宅の需要のミスマッチも課題であり、住み替えができる形での分譲・賃貸の集合住宅の供給が必要になっています。9haの用地に、将来的に400~500人が居住できる街区を10年かけて段階的に開発していきます。建設時において、通常の街区開発よりCO2排出量を半減、2040~2050年には街区からのCO2排出量がゼロになっていくような街区開発を行っていきたい。具体策としては、世界的にも通用するような高気密・高断熱の集合住宅を建設していきます。それに加え、電気自動車のシェアカーや、太陽光パネルの導入なども考えており、エネルギー部門に強い民間企業などと、包括連携協定を結び、CO2削減について深堀り検討しています。 次に、CV代表理事の早田より、「これからの小規模自治体における住宅インフラ~高性能集合住宅」について。早田は2007年から一般社団法人クラブヴォーバンを始めました。2012年、ウェルネストホームという住宅メーカーを創業、ドイツの村上から教えてもらったノウハウを、日本の気象条件に実際に合わせてカスタマイズし、主に戸建て住宅を販売、設計、施工しています。今関東では大体Ua値0.8W/㎡K、北海道は0.46W/㎡Kが省エネ建築の基準なので、関東よりは約2倍の厳しい性能が求められる。だが、私のつくっている住宅は、全国で0.2~0.23W/㎡K。この数値は、ヨーロッパのスタンダードです。ニセコ町の新庁舎0.18W/㎡・Kというのは、日本最高の省エネ庁舎だと思う。今(10月下旬)外がかなり寒くなってきたが、まだ暖房は入っていないそうです。再エネと省エネは、両輪、セットです。 SDGs街区で、なぜ高性能集合住宅か? 戸建住宅を複数建てて外皮面積が多いと、外気に接する面積が大きくなるため、熱効率が悪くなります。集合住宅を活用した街区では平均的な戸建て住宅に比べて約2.5分の1の面積で済みます。北海道では、一般住宅の暖房の熱源はほぼ灯油。1L灯油を燃やすと、CO2が2.3kgも発生します。上下水道の距離も短くなるし、コンパクトなまちづくりをする利点は他にもたくさんあります。その集合住宅のモデルとなる1、2階各4戸、8世帯の高気密高断熱の集合アパートが、2020年12月に完成。このアパートに翌3月から計測システムを入れ常時管理していますが、関東の冬と同じくらいの寒さのニセコ町の3月で、上下階計4台の共用エアコンのみで各戸の室内は常時22℃±1℃で推移(角部屋を除く)。この期間、1戸あたり暖房費が50円/日でした。外皮性能のしっかりした家だと、真夏にエアコンの設定温度を24℃にしても、わずかな電気代で快適に過ごせ、仕事の生産性も上がります。集合住宅での騒音の問題も、横だけでなく上下の騒音にも配慮して建築し、木造住宅で日本最高レベルの防音性能を出しました。 市街地に高性能の集合住宅を少しずつでも建てて、そこに大きい一軒家で住んでる高齢者が、快適に住めるからと賃貸で引っ越し、空いた家を断熱改修して若い大家族に貸し出す。これを、ヨーロッパでは国の取り組みとしてやっています。それで海外から買う化石燃料を減らし、その分でまた高性能住宅を建てています。日本では国全体でやるのは難しいかもしれないが、ここにいる皆さんの自治体では、少しずつでもこういう方向性でチャレンジしてください、とのことでした。 最後に、対談形式「ここ10年間が正念場。公共や建物のインフラでできること」(司会:村上 登壇者:ニセコ町/山本副町長・黒瀧課長・CV/早田・(株)ニセコまち/宮坂)と質疑応答がありました。ニセコ町では、高気密高断熱の庁舎ができ街区で高性能の集合住宅を作ろうとしているが、さらに今新しい条例を作ろうとしています。新築で家を建てる人には、家を建てる前に燃費性能を確認し、役場に届け出をしなくてはいけない、ということを今後実施していくそうです。断熱材や気密性能、躯体の強度や窓ガラスは、いったん作ってしまうとその後使う60年間はランニングコストがかからないので、そこにまず手を付け、設備が少なければ少ないほど、その後のメンテナンスコストも少なくて済みます。ZEBに飛びつけば補助金を頂けるのかもしれないが、それが本当に自分たちの身の丈に合っているのか?が重要ということをクラブヴォーバンから学び、二セコ町は、最初はZEBと言っていたが、最後はZEBにこだわらなかった、とのことでした。過大な設備を最初から付けなければ、設備更新時に、補助金のない中での更新の心配をしなくて済みます。
2022/02/21
今回は代表の村上より、「待ったなし!の気候非常事態対策 “地域で優先的に実施すべきこと”」のレクチャーとディスカッションでした。...
2021/09/01
2021年8月号の東京新聞「月刊SDGs」の連載にて、「11. 住み続けられるまちづくりを」の事例として、クラブヴォーバンの「持続可能な発展を目指す自治体会議(通称:持続会)の取組みが紹介されました。 《東京新聞サイトへのリンク》 https://www.tokyo-np.co.jp/article/127358
2021/06/21
前回は、一社地域政策デザインオフィスの田中信一郎氏の「行政のタテ割りとヨコ割りを内部から突破する」のインプットで、「急速に人口が減少する時代における自治体の役割は、減少していく行政資源で、増加していく前例のない課題を解決する、というこれまでに前例のない難しいことをやっていかなくてはならない」という認識共有や、行政など日本の組織によくありがちな、タテ割りの例や弊害の具体例、発生原因の具体例を挙げつつ、それを打破するための具体的な方法論や参考図書が紹介されました。また、地球温暖化対策に向けた取り組みについて、すでに自治体を上げて具体的な取り組みを始めている北海道下川町・ニセコ町、鳥取県北栄町から、事例の詳細発表と、悩みの共有や課題、質疑応答などの場を設けました。 それを受け、今回は、住宅の省エネについての現状と今後の展開について、埼玉県横瀬町から取り組みの発表と悩みの共有があり、クラブヴォーバンメンバーやオブザーバーの省庁関係、地域電力、大学や研究所などの専門家の方々から、制度設計についてのアドバイスや意見の交換がありました。代表の村上からは、2050年CO2排出量ゼロの社会では「気候中立を前提とした新しいエネシステム」になるため、今後どのような「ゲームチェンジ」が日本でも起こっていくか、ドイツで実際に起きている事例などを紹介し、「今後社会動向を見据え、今すぐに、本当に実効性があるCO2削減のための対策や施策を打たなければならない、去年までの延長で、今年や来年、これまでと同じ施策をやっていてはいけない」とのインプットがありました。
2021/06/21
今やあちこちで見かけるようになったSDGsのロゴマークやビジネスマンの襟元のSDGsバッジ。日本国内でもSDGsが広く知られるようになると同時に、一方で「SDGsは企業の宣伝のための都合のいいツール」とか「政府のアリバイ作りのようなもの」だといった批判も聞こえてくるようになってきました。...
2021/02/24
会員各自治体の公共施設別の、電気・ガス・灯油・ガソリン等エネルギー使用量の「kWh=¥」への単位統一、㎡あたり、月あたり、利用者一人あたりのエネルギー使用量の見える化調査と発表に引き続き、前回は、会員各自治体からの地球温暖化対策に向けた取り組みの報告の場を設けました。その時に出てきた共通の悩みを受けて、今回は田中信一郎氏から「行政のタテ割りとヨコ割りを内部から突破する」のレクチャーを行い、その後に、会員自治体の中で地球温暖化対策を力強く実質的に進めている3自治体、北海道下川町とニセコ町、鳥取県北栄町3町から事例の紹介と質疑応答がありました。 まずは、代表理事の早田より、開催にあたっての挨拶。ニセコSDGs街区着工に先駆けて、早田の創業した(株)WELLNEST HOMEが設計監理を行い、ニセコ町の工務店さんが施工した高性能賃貸アパートのモデルが2020年12月に完成。4戸ある2階の共用の廊下に、6畳用のエアコン2台を設置、そこで暖めた空気を各戸に送って暖房する仕組み。各戸のエアコンを使わず、共用エアコンのみであっても、外気温−15℃時に室温20℃以上を保てることが確認でき、町民の方もここにきて「めちゃくちゃ暖かいね」と言ってくれ、手ごたえを感じています。来年末頃にはいよいよ街区の集合住宅が現れてくる予定なので、コロナ禍が落ち着いたらぜひ皆さんとここで集まれる日が来るといいなと思います。ここに集う持続会の自治体での新築や改修工事については、精一杯やれることはやっていってほしい、との話でした。 次に代表の村上より、「前回の各自治体からの温対計画についての振り返り」について。前回10月の持続会で、自らの自治体が掲げる地球温暖化対策やエネ政策の目標値の発表の際、「気候温暖化やエネルギー対策が複数課にまたがっている、ガバナンスが難しい」「エネルギー使用量管理・統計の難しさ」「気候中立を目指すと掲げながら、そのために有効な具体的方針や合理的な説明のつく数値目標がない」「エネルギーの専門家が役場にいない」「地域再エネを増やしているのに、経済活動の外的影響の割合が大きく、CO2排出量が減らない」といった共通の声・課題がありました。これを受け、気候温暖化対策を進めるために、行政の縦割りをなんとかすることはできないかということで、専門的な知見から今回田中信一郎さんにレクチャーをお願いしています。 一社地域政策デザインオフィス代表理事の田中信一郎氏の「行政のタテ割りとヨコ割りを内部から突破する」では、行政など日本の組織によくありがちな、タテ割りの例や弊害の具体例、発生原因の具体例を挙げつつ、目の前には「人口減少」「低成長」「環境危機」といった、逃れられない厳しい現実が目の前に迫っているため、タテ割りの弊害を放置する「余裕」はない!ことの認識の共有が行われました。これからの人口減少の時代は、人口増加期に成長で解決できていた課題が、顕在化すると同時に、人口増加を前提とした社会システムと現実のかい離=人口減少に伴う課題が噴出してきます。 人口減少時代の自治体の役割は、減少していく行政資源で、増加していく前例のない課題を解決する、というこれまでに前例のない難しいことをやっていかなくてはなりません。とはいえ、「行政のタテ割りを打破するぞ」と、組織を統合したり新設したり、首長の直轄にしたり調整役を任命したり、会議をしたり、業務仕分けをしても、実は根本解決にはならず、新たな問題を生むケースがほとんどです。ですので、「タテ割り打破」のためには、タテ割りはあるものとしてあきらめて、タテ割りを正確に理解・活用して、幹部に「ヨコ業務」をやってもらいましょう。このレクチャーでは、そのために必要な具体的な方法論や参考図書が紹介されました。

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