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エネルギー自立地域経済好循環 × イノベーション 
                 持続可能なまちづくり

PJ100セミナー

( PJ100:プロジェクトCO₂ マイナス100、以前のPJ80より改称)

 

CVでは、脱炭素社会に対応した「持続可能なまちづくり」 に関わる 5 つのテーマ(マクロ政策・省エネ建築推進・建物性能表示推進・再生可能エネルギー推進・自転車交通推進)について、CV を支援していただいている法人・個人 サポーターを対象とした PJ100セミナーや懇親会を毎年企画・開催しています。

2024年

2月

22日

10月18日PJ100セミナー「持続可能なまちづくりに地域を巻き込むためのマーケティング講座」を東京とZoomにて開催しました

エネルギー価格高騰に伴い、あらゆるものの物価高が私たちの暮らしを直撃しています。

化石燃料が手ごろな価格で入手できる時代は終息に向かい、世界では再エネと省エネなど、脱炭素産業へのゲームチェンジが急速に進んでいます。日本で暮らす私たちも、当然この影響を受けることになります。最近の報道にもあるように、IPCC第6次の統合報告書では地球温暖化のより厳しい現状への警笛が鳴らされています。

 

今回は、新橋現地開催&オンラインにて、IEAの「2050年ネットゼロに向けたセクター別ロードマップ」をベースに、2050年脱炭素社会に向けて、これからの私たちの暮らしや日本、世界の産業がどうシフトしていくか、今後のシナリオについて議論しました。代表の村上が全体の概要と「建物&設備部門」を、ゲストに(国研)産業技術総合研究所でエネルギーや脱炭素社会について取り組まれているお二人をお招きし、櫻井氏には「交通・運輸部門」、歌川氏には「電力部門」を解説いただきました。

 

今回は「IEAが出した」シナリオがポイントです。これまで世界の様々な機関が未来のエネルギーシナリオを出している中で、IEAは特に脱炭素に対し後ろ向きでした。そのIEAが、ようやくネットゼロについての詳細シナリオを出してきた、ということは、IEAに加盟している多くの国でこのシナリオが許容される社会情勢に変わってきた、ということに他なりません。

 

まず代表の村上より。

ドイツは、若者や世論の気候中立への関心の高まりから2021年夏に制定された「気候保護法」に従い、今年4月に原発を完全に停止しました。元々ドイツから海外に輸出していた発電超過の状況であったため、原発を停めても今のところ大きな問題はなく、補完関係にある太陽光と風力でかなりの電力消費量を賄っています。

 

ドイツでは2022年の消費電力に対し、再エネ発電の割合は46%になりました。しかし、脱炭素を目指す2050年の段階での電力消費量は今の2倍とも言われているので、これからどう再エネを増やしていくのかが課題です。また、風力や太陽光などの設備の更新タイミングは20-25年と言われているので、これからは過去に設置した再エネ設備の更新もしていかなければなりません。

 

それでもドイツは本腰を入れて再エネ社会にシフトしているため、変動制再エネの供給をうまく活用する柔軟性の必要度合いが高まっています。余剰電力を熱として蓄えておくPower to Heatは2020年より始まっていますが、今後はPower to Gasが2025~30年頃に、Power to Liquid、Power to Industryも2035~40年に経済性を持って本格的にはじめてゆかなければなりません。またこれらは全てITやAIで自動制御する社会になってゆくでしょう。

 

取り組みが遅れている日本が脱炭素していくには、今までの十数倍も再エネを増やしていかないといけません。日本は再エネでは太陽光が圧倒的に多いですが、太陽光と風力は補完関係にあるので、どのように風力を増やし太陽光とバランスをとっていくかが目下の課題と言えるかと思います。

 

IEAが出している2050年のエネルギーシステムの姿「2050年ネットゼロに向けたセクター別ロードマップ」の話。このIEAロードマップはIGESさんが日本語に翻訳したものをネットで公開されているので、皆さんもぜひご一読ください。

https://www.iges.or.jp/jp/pub/iea-2050netzero/ja

 

 

IEAロードマップの「建物&設備部門」について。

化石燃料ボイラは2025年には販売を終了しなければならないため、ドイツでは新設するボイラは太陽光とヒートポンプがセットになったものに置き代わることが法的措置として行われます。昨今、太陽光発電も蓄電池もヒートポンプも、世界の半導体供給不足により供給が停滞し、価格も若干上昇していますが、その需給バランスの乱れが解消されると加速度的に増えていくでしょう。

 

2030年には新設される建物すべてがZEH仕様になっていなければなりません。2035年には機器や冷房設備の大半がトップランナーレベルに。日本の私たちが足元からまずやることとして、これまでもお伝えしているように、既にもう確立されており、今後伸びる技術で、費用対効果の大きいことから取り組むことが大切です。安いトータルコストでCO2削減効果の高い技術は、まず建物の断熱、次に電化、次に太陽光。ゼロカーボンの三種の神器は ①省エネ建築の徹底(熱はヒートポンプ) ②マイカー交通はBEV ③とにかく太陽光発電 です。しかし、再エネが進まない状況でヒートポンプだけ増やしても、火力発電の熱効率は低いため効果が薄く、やはり国全体の電源が再エネになっていくことが重要です。

 

次に、櫻井氏よりIEAロードマップの「運輸部門」について

IPCCの報告書は控え目に書かれており、今世紀中の海面上昇量予測が数十㎝と書かれていますが、これを大幅に上回る可能性もあります。日本はまだのんびりしていますが、実際、氷床の融解ペースも加速中なので、CO2排出量を迅速に、大きく減らさなければならないと言われているのが世界の潮流です。

 

世界のCO2排出量の16%が運輸部門、うち12%が道路。EVは、走行時だけでなく製造時を含めても内燃自動車に比べてCO2排出量が少ないのが実態です。太陽光や風力の余剰電力をEVに蓄電することもでき、性能も飛躍的に上がっているので、乗用車だけでなくトラックなど大型車も今後EV化が進んでいくでしょう。脱炭素電源では遅れていると思われがちな中国も、CO2排出量削減が大幅に進められており、このまま行くとあと数年で日本が中国に追い越される可能性もあります。

 

現在は世界の電力の約3割が再エネで、新設の発電所の電源容量の8割以上が再エネとなっています。世界の電力需要量の増加分を今後再エネ新設でほぼ賄い、太陽光発電を今の25%増加率で今後10年間続けると2050年のゼロエミに必要とされる電力量を賄っていけるだろう、という予測を研究機関から共同で出しました。

 

EVを考える時、住宅もセットで考えるとよいでしょう。今の日本の住宅の大半はほぼ無断熱で、化石燃料による局所暖房・冷房が主流なので、住宅を高断熱・高気密化していくことが急務です。空調なしでも室温を保ちやすくなり、災害などで長時間停電した場合のリスク回避にもなります。またEVには蓄電ができ、この蓄電を住宅で使えば住宅の脱炭素化にも役立てることができます。晴れた昼間は太陽光の余剰電力はほぼ0円で取引されるので、昼間にEVの蓄電池に電気を溜め、夕方の電気代が高い時間帯に使えば良いでしょう。V2HがあればEVから家庭用に電気を使えますが、現状V2Hはとても高コストなのが課題です。

 

昼間余剰で捨てている電力を溜めて夕方に使えると、EVを持っている人は夕方に電気を安く利用でき、EVを持っていない人も国全体の電気代が下がり、太陽光発電事業者も売れる電気が増え、夕方など電力需要が高い時間帯の化石燃料を節約できるメリットがあります。EVの車体価格に蓄電池のコストが含まれているので、電力系統から見ればほぼタダで使える大容量の蓄電池、これを有効活用しない手はありません。またEVの蓄電池は、車の寿命後に定置型蓄電池としてリユースも可能です。

 

これからは、車を置く場所にはコンセントが導入され、「駐車のついでに充電」できるようになるでしょう。職場や住宅など長時間停車する場所には普通充電器、店舗やSA/PA、道の駅などには急速充電器が設置されるようになります。集合住宅の機械式駐車場にも、充電器が備え付けられ始めています。日本の全乗用車がEVになり、全車が系統に対してほんの少しの入出力を提供したと仮定すれば、日本の丸一日分の電力需要に相当し、巨大な柔軟性資源となりえます。

 

海外では、自動二輪車の使用済みバッテリを、ステーションで満タンのバッテリに交換できるだけでなく、電力が安い時間帯に満タンにした充電池を、電気のひっ迫する電気代の高い時間帯にステーションへ持っていき電気を売ることもできるサービスが始まっています。台湾ではGogoroが普及しています。またステーション自体が電力系統に対してバッテリとして働くこともできます。

 

EVの車体価格も下がってきており、走行コストもメンテナンスコストも従来の車より安いので、東南アジアやアフリカといった途上国でもEVの普及の動きが加速しています。

 

最後に歌川氏より、IEAロードマップの「電力部門」について。

IPCCの報告によると、地球の気温上昇が加速しています。異常気象や生態系農業被害をできるだけ小さくするために、2030年にCO2排出量を2019年比でほぼ半減する必要があります。世界も日本も、この10年の対策が非常に重要です。

 

IPCCのマイルストーンによると、炭素対策のない石炭火力発電所は2021年以降新設不許可、2030年までにはすべて廃止になっているにも関わらず、日本はまだ新規の計画が数基あります。2050年の脱炭素社会に向けて、2035年には、先進国の電力部門はCO2排出量をネットゼロにする必要がある、ということを、去年ドイツが議長国だった時のG7で合意されています。2040年までに石炭・石油火力発電所を廃止し、世界規模でCO2排出量をネットゼロに、というマイルストーンになっています。

 

この半年ほどは価格が少し落ち着いていますが、日本の石油輸入価格はコロナ前の約2倍、石炭輸入価格はコロナ前の一時約6倍になっていました。少し前までは、熱量あたりの価格は石炭が安く、石油と天然ガスが高い、というのが一般的でしたが、今はもうほとんど変わりません。ということは、石炭をやめて再エネに移行しやすくなったということでもあります。産業の高温熱利用や船舶航空燃料は、再エネ転換に技術的な課題があるが、それ以外の技術は今の議事術やその改良技術で、十分再エネ転換脱炭素転換可能です。

 

昨年のIRENA(国際再エネルギー機関)においても、火力発電コストが高騰しているため、再エネが非常に有利との報告が出ています。日本は太陽光と風力のコストが諸外国に比べ飛びぬけて高いが、それでも、火力発電より再エネの方が2倍以上安いです。

 

再エネコストは日本でも低下しており、一方火力コストは燃料高騰しているので、火力より太陽光・風力の方が安く、また電気を購入するよりも、屋根や敷地に太陽光を設置し自家消費する方が安いです。

2022年の化石燃料コストは凄まじく、工場や大型施設、病院などで億単位または十億単位で燃料コストが跳ね上がっているため、そのお金があるなら敷地内で太陽光を設置すると、半分や1/3のコストに収まるようになるでしょう。

 

IEAの2050年ネットゼロシナリオでは、全発電量のうち再エネが88%。今後世界では各分野の電化と省エネと柔軟化(蓄電)が進んでいくでしょう。中でもスタンフォード大学やフィンランド・ラッペンランタ大学などの研究では、再エネ100%シナリオも出ています。日本の電源ごとの再エネ需給試算例としては、WWFジャパンの槌屋氏、自然エネルギー財団とラッペンランタ大学の共同研究、CASA地球環境市民会議などがあり、いずれの研究でも、2050年再エネ100%の達成が可能とされています。私の独自試算でも、今ある技術とその改良技術で、達成可能です。

 

再エネ電力割合を1990-2021年比でみると、日本は約11%→20%ですが、世界の主要国の中ではその増加割合はかなり少なく、デンマークでは約3%→78%まで増加しています。日本は相当な努力が必要です。夏や冬の夕方、また季節外れの猛暑などで電力需給に余裕のない時間帯がありますが、東日本エリアで年間数十時間程度です。その時間帯は前日には予測がつくので、その時間帯に大きい工場などを停めたらその分報奨金を渡す、というデマンドビジネスがきちんとワークするような制度が必要です。

 

再エネを増やすにあたり、乱開発を防止する制度も必要です。また地元が全く関与しない地域外からのみの資本による開発は、問題です。努力をした地元企業が、ノウハウも獲得しながら、きちんと地域に利益や雇用が確保されることが大事で、そこに国も仲介したりなどすると、日本の脱炭素化が加速するでしょう。

 

とにかくスピードが大事なので、このスピードを社会的に実現する制度・しくみが必要です。電源の中で再エネを最優先にし、地元企業を入れてどんどん太陽光と風力を導入するべきです。

 

この後、参加者から活発な質疑があり、終了後には講師3人を囲んで懇親会を行いました。

 

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2023年

12月

18日

1月17日PJ100セミナー「2024年4月1日、建築物の省エネ表示制度はじまるって何だろう?」を東京とオンラインにて開催します

クラブヴォーバンが2008年から必要性を訴え続けてきた「建築物の省エネ表示制度」が、2024年4月1日からようやく、この日本でも実現することになりました!

 

あと数か月で始まるこの制度のスタートにより、住宅・ビルなどの建築物の販売・賃貸に従事する人や購入する人、すべての人に大きな影響が予想されます。2050年カーボンニュートラルを実現するために、CO2排出量全体の約1/3を占める住宅・建築物に対し、有効な対策が求められてきました。2024年4月以降、事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告等において、省エネ性能の表示ラベルを表示することが必要となります。

 

これは、販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者等が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度です。住まいやオフィス等の買い手・借り手の省エネ性能への関心を高めることで、省エネ性能が高い住宅・建築物の供給が促進される市場づくりを目的としています。

 

今回のPJ100セミナーでは、代表の村上から、この制度や省エネ表示の内容について説明します。またこの制度と業界に詳しい晝場氏によって、この制度によって各業界やCO2排出量削減にどのような影響があるのかの解説します。

 

■ PJ100セミナー「2024年4月1日、建築物の省エネ表示制度はじまるって何だろう?」

 @ 新橋クラブヴォーバン(東京都港区新橋2-5-6 大村ビル8階) & オンライン 開催

※ ZOOMでは、質疑やディスカッションにはご参加いただけませんが、レクチャーのみご聴講いただけます

※ 終了後近隣飲食店にて懇親会開催予定(参加費各自)

 

事前申し込み要(懇親会参加は開催一週間前、現地セミナーのみまたはZoomは開催前日まで) 

CVサポーター対象 参加費無料(法人および自治体の方は3名まで無料)

 

■問い合わせ・申込み先■

一般社団法人クラブヴォーバン 

Email  mail@club-vauban.net

① ご氏名 

② ご所属(法人サポーターおよび自治体会員の方) 

③ メールアドレス 

④ 現地参加 or  オンライン参加 

⑤ 懇親会参加希望 

を明記してください。

後日参加に必要な情報をメールにてご連絡致します。

 

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2023年

6月

21日

5月24日PJ100セミナー「~ 2050年脱炭素社会へ ~脱炭素ロードマップと世界の進展状況」を東京とZoomにて開催しました

エネルギー価格高騰に伴い、あらゆるものの物価高が私たちの暮らしを直撃しています。

化石燃料が手ごろな価格で入手できる時代は終息に向かい、世界では再エネと省エネなど、脱炭素産業へのゲームチェンジが急速に進んでいます。日本で暮らす私たちも、当然この影響を受けることになります。最近の報道にもあるように、IPCC第6次の統合報告書では地球温暖化のより厳しい現状への警笛が鳴らされています。

 

今回は、新橋現地開催&オンラインにて、IEAの「2050年ネットゼロに向けたセクター別ロードマップ」をベースに、2050年脱炭素社会に向けて、これからの私たちの暮らしや日本、世界の産業がどうシフトしていくか、今後のシナリオについて議論しました。代表の村上が全体の概要と「建物&設備部門」を、ゲストに(国研)産業技術総合研究所でエネルギーや脱炭素社会について取り組まれているお二人をお招きし、櫻井氏には「交通・運輸部門」、歌川氏には「電力部門」を解説いただきました。

 

今回は「IEAが出した」シナリオがポイントです。これまで世界の様々な機関が未来のエネルギーシナリオを出している中で、IEAは特に脱炭素に対し後ろ向きでした。そのIEAが、ようやくネットゼロについての詳細シナリオを出してきた、ということは、IEAに加盟している多くの国でこのシナリオが許容される社会情勢に変わってきた、ということに他なりません。

 

まず代表の村上より。

ドイツは、若者や世論の気候中立への関心の高まりから2021年夏に制定された「気候保護法」に従い、今年4月に原発を完全に停止しました。元々ドイツから海外に輸出していた発電超過の状況であったため、原発を停めても今のところ大きな問題はなく、補完関係にある太陽光と風力でかなりの電力消費量を賄っています。

 

ドイツでは2022年の消費電力に対し、再エネ発電の割合は46%になりました。しかし、脱炭素を目指す2050年の段階での電力消費量は今の2倍とも言われているので、これからどう再エネを増やしていくのかが課題です。また、風力や太陽光などの設備の更新タイミングは20-25年と言われているので、これからは過去に設置した再エネ設備の更新もしていかなければなりません。

 

それでもドイツは本腰を入れて再エネ社会にシフトしているため、変動制再エネの供給をうまく活用する柔軟性の必要度合いが高まっています。余剰電力を熱として蓄えておくPower to Heatは2020年より始まっていますが、今後はPower to Gasが2025~30年頃に、Power to Liquid、Power to Industryも2035~40年に経済性を持って本格的にはじめてゆかなければなりません。またこれらは全てITやAIで自動制御する社会になってゆくでしょう。

 

取り組みが遅れている日本が脱炭素していくには、今までの十数倍も再エネを増やしていかないといけません。日本は再エネでは太陽光が圧倒的に多いですが、太陽光と風力は補完関係にあるので、どのように風力を増やし太陽光とバランスをとっていくかが目下の課題と言えるかと思います。

 

IEAが出している2050年のエネルギーシステムの姿「2050年ネットゼロに向けたセクター別ロードマップ」の話。このIEAロードマップはIGESさんが日本語に翻訳したものをネットで公開されているので、皆さんもぜひご一読ください。

https://www.iges.or.jp/jp/pub/iea-2050netzero/ja

 

 

IEAロードマップの「建物&設備部門」について。

化石燃料ボイラは2025年には販売を終了しなければならないため、ドイツでは新設するボイラは太陽光とヒートポンプがセットになったものに置き代わることが法的措置として行われます。昨今、太陽光発電も蓄電池もヒートポンプも、世界の半導体供給不足により供給が停滞し、価格も若干上昇していますが、その需給バランスの乱れが解消されると加速度的に増えていくでしょう。

 

2030年には新設される建物すべてがZEH仕様になっていなければなりません。2035年には機器や冷房設備の大半がトップランナーレベルに。日本の私たちが足元からまずやることとして、これまでもお伝えしているように、既にもう確立されており、今後伸びる技術で、費用対効果の大きいことから取り組むことが大切です。安いトータルコストでCO2削減効果の高い技術は、まず建物の断熱、次に電化、次に太陽光。ゼロカーボンの三種の神器は ①省エネ建築の徹底(熱はヒートポンプ) ②マイカー交通はBEV ③とにかく太陽光発電 です。しかし、再エネが進まない状況でヒートポンプだけ増やしても、火力発電の熱効率は低いため効果が薄く、やはり国全体の電源が再エネになっていくことが重要です。

 

次に、櫻井氏よりIEAロードマップの「運輸部門」について

IPCCの報告書は控え目に書かれており、今世紀中の海面上昇量予測が数十㎝と書かれていますが、これを大幅に上回る可能性もあります。日本はまだのんびりしていますが、実際、氷床の融解ペースも加速中なので、CO2排出量を迅速に、大きく減らさなければならないと言われているのが世界の潮流です。

 

世界のCO2排出量の16%が運輸部門、うち12%が道路。EVは、走行時だけでなく製造時を含めても内燃自動車に比べてCO2排出量が少ないのが実態です。太陽光や風力の余剰電力をEVに蓄電することもでき、性能も飛躍的に上がっているので、乗用車だけでなくトラックなど大型車も今後EV化が進んでいくでしょう。脱炭素電源では遅れていると思われがちな中国も、CO2排出量削減が大幅に進められており、このまま行くとあと数年で日本が中国に追い越される可能性もあります。

 

現在は世界の電力の約3割が再エネで、新設の発電所の電源容量の8割以上が再エネとなっています。世界の電力需要量の増加分を今後再エネ新設でほぼ賄い、太陽光発電を今の25%増加率で今後10年間続けると2050年のゼロエミに必要とされる電力量を賄っていけるだろう、という予測を研究機関から共同で出しました。

 

EVを考える時、住宅もセットで考えるとよいでしょう。今の日本の住宅の大半はほぼ無断熱で、化石燃料による局所暖房・冷房が主流なので、住宅を高断熱・高気密化していくことが急務です。空調なしでも室温を保ちやすくなり、災害などで長時間停電した場合のリスク回避にもなります。またEVには蓄電ができ、この蓄電を住宅で使えば住宅の脱炭素化にも役立てることができます。晴れた昼間は太陽光の余剰電力はほぼ0円で取引されるので、昼間にEVの蓄電池に電気を溜め、夕方の電気代が高い時間帯に使えば良いでしょう。V2HがあればEVから家庭用に電気を使えますが、現状V2Hはとても高コストなのが課題です。

 

昼間余剰で捨てている電力を溜めて夕方に使えると、EVを持っている人は夕方に電気を安く利用でき、EVを持っていない人も国全体の電気代が下がり、太陽光発電事業者も売れる電気が増え、夕方など電力需要が高い時間帯の化石燃料を節約できるメリットがあります。EVの車体価格に蓄電池のコストが含まれているので、電力系統から見ればほぼタダで使える大容量の蓄電池、これを有効活用しない手はありません。またEVの蓄電池は、車の寿命後に定置型蓄電池としてリユースも可能です。

 

これからは、車を置く場所にはコンセントが導入され、「駐車のついでに充電」できるようになるでしょう。職場や住宅など長時間停車する場所には普通充電器、店舗やSA/PA、道の駅などには急速充電器が設置されるようになります。集合住宅の機械式駐車場にも、充電器が備え付けられ始めています。日本の全乗用車がEVになり、全車が系統に対してほんの少しの入出力を提供したと仮定すれば、日本の丸一日分の電力需要に相当し、巨大な柔軟性資源となりえます。

 

海外では、自動二輪車の使用済みバッテリを、ステーションで満タンのバッテリに交換できるだけでなく、電力が安い時間帯に満タンにした充電池を、電気のひっ迫する電気代の高い時間帯にステーションへ持っていき電気を売ることもできるサービスが始まっています。台湾ではGogoroが普及しています。またステーション自体が電力系統に対してバッテリとして働くこともできます。

 

EVの車体価格も下がってきており、走行コストもメンテナンスコストも従来の車より安いので、東南アジアやアフリカといった途上国でもEVの普及の動きが加速しています。

 

最後に歌川氏より、IEAロードマップの「電力部門」について。

IPCCの報告によると、地球の気温上昇が加速しています。異常気象や生態系農業被害をできるだけ小さくするために、2030年にCO2排出量を2019年比でほぼ半減する必要があります。世界も日本も、この10年の対策が非常に重要です。

 

IPCCのマイルストーンによると、炭素対策のない石炭火力発電所は2021年以降新設不許可、2030年までにはすべて廃止になっているにも関わらず、日本はまだ新規の計画が数基あります。2050年の脱炭素社会に向けて、2035年には、先進国の電力部門はCO2排出量をネットゼロにする必要がある、ということを、去年ドイツが議長国だった時のG7で合意されています。2040年までに石炭・石油火力発電所を廃止し、世界規模でCO2排出量をネットゼロに、というマイルストーンになっています。

 

この半年ほどは価格が少し落ち着いていますが、日本の石油輸入価格はコロナ前の約2倍、石炭輸入価格はコロナ前の一時約6倍になっていました。少し前までは、熱量あたりの価格は石炭が安く、石油と天然ガスが高い、というのが一般的でしたが、今はもうほとんど変わりません。ということは、石炭をやめて再エネに移行しやすくなったということでもあります。産業の高温熱利用や船舶航空燃料は、再エネ転換に技術的な課題があるが、それ以外の技術は今の議事術やその改良技術で、十分再エネ転換脱炭素転換可能です。

 

昨年のIRENA(国際再エネルギー機関)においても、火力発電コストが高騰しているため、再エネが非常に有利との報告が出ています。日本は太陽光と風力のコストが諸外国に比べ飛びぬけて高いが、それでも、火力発電より再エネの方が2倍以上安いです。

 

再エネコストは日本でも低下しており、一方火力コストは燃料高騰しているので、火力より太陽光・風力の方が安く、また電気を購入するよりも、屋根や敷地に太陽光を設置し自家消費する方が安いです。

2022年の化石燃料コストは凄まじく、工場や大型施設、病院などで億単位または十億単位で燃料コストが跳ね上がっているため、そのお金があるなら敷地内で太陽光を設置すると、半分や1/3のコストに収まるようになるでしょう。

 

IEAの2050年ネットゼロシナリオでは、全発電量のうち再エネが88%。今後世界では各分野の電化と省エネと柔軟化(蓄電)が進んでいくでしょう。中でもスタンフォード大学やフィンランド・ラッペンランタ大学などの研究では、再エネ100%シナリオも出ています。日本の電源ごとの再エネ需給試算例としては、WWFジャパンの槌屋氏、自然エネルギー財団とラッペンランタ大学の共同研究、CASA地球環境市民会議などがあり、いずれの研究でも、2050年再エネ100%の達成が可能とされています。私の独自試算でも、今ある技術とその改良技術で、達成可能です。

 

再エネ電力割合を1990-2021年比でみると、日本は約11%→20%ですが、世界の主要国の中ではその増加割合はかなり少なく、デンマークでは約3%→78%まで増加しています。日本は相当な努力が必要です。夏や冬の夕方、また季節外れの猛暑などで電力需給に余裕のない時間帯がありますが、東日本エリアで年間数十時間程度です。その時間帯は前日には予測がつくので、その時間帯に大きい工場などを停めたらその分報奨金を渡す、というデマンドビジネスがきちんとワークするような制度が必要です。

 

再エネを増やすにあたり、乱開発を防止する制度も必要です。また地元が全く関与しない地域外からのみの資本による開発は、問題です。努力をした地元企業が、ノウハウも獲得しながら、きちんと地域に利益や雇用が確保されることが大事で、そこに国も仲介したりなどすると、日本の脱炭素化が加速するでしょう。

 

とにかくスピードが大事なので、このスピードを社会的に実現する制度・しくみが必要です。電源の中で再エネを最優先にし、地元企業を入れてどんどん太陽光と風力を導入するべきです。

 

この後、参加者から活発な質疑があり、終了後には講師3人を囲んで懇親会を行いました。

 

2023年

4月

17日

5月24日PJ100セミナー「~ 2050年脱炭素社会へ ~ 脱炭素ロードマップと世界の進展状況」を東京とZoomにて開催します

エネルギー価格高騰に伴い、あらゆるものの物価高が私たちの暮らしを直撃しています。

化石燃料が手ごろな価格で入手できる時代は終息に向かい、世界では再エネと省エネなど、脱炭素産業へのゲームチェンジが急速に進んでいます。日本で暮らす私たちも、当然この影響を受けることになります。

 

最近の報道にもあるように、IPCC第6次の統合報告書では地球温暖化のより厳しい現状への警笛が鳴らされています。

 

そこで今回、IEAの2050年脱炭素に向けたロードマップに描かれている内容についておさらいをし、建物・交通・電力などそれぞれの部門における世界の現状についての情報提供し、議論する場を設けます。

 

解説や情報提供には、(国研)産業技術総合研究所でエネルギーや脱炭素社会について取り組まれている歌川氏と櫻井氏にご登壇いただきます。CV代表の村上と共に皆さんと議論できる機会を楽しみにしています。

 

 

■ PJ100セミナー「~ 2050年脱炭素社会へ ~脱炭素ロードマップと世界の進展状況

5月24日(水)18:30~20:00 (東京・新橋とZoomにて開催)

 @ 新橋クラブヴォーバン(東京都港区新橋2-5-6 大村ビル8階) & オンライン 開催

注意)  セミナールームでのリアルでの開催、議論をメインにするため、オンラインでのご視聴では聞き取りにくいこと、内容が不明瞭になる場合があることを、あらかじめご承知おきくださいませ

 

※ 終了後近隣飲食店にて懇親会開催予定(参加費各自)

 

事前申し込み要(懇親会参加は開催一週間前、現地セミナーのみまたはZoomは開催前日まで) 

CVサポーター対象 参加費無料(法人および自治体の方は3名まで無料)

 

■問い合わせ・申込み先■

一般社団法人クラブヴォーバン 

Email  mail@club-vauban.net

① ご氏名 

② ご所属(法人サポーターおよび自治体会員の方) 

③ メールアドレス 

④ 現地参加 or  オンライン参加 

⑤ 懇親会参加希望 

を明記してください。

後日参加に必要な情報をメールにてご連絡致します。

 

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2023年

3月

02日

1月25日PJ100セミナー「エネルギー急騰時代 自衛対策 / 高性能集合住宅の傾向」を東京新橋にて開催しました

世界的なエネルギー価格の高騰が生じています。ここに円安が加わり、私たちの電気・ガソリン・灯油・木材・食品・・・・etc. ありとあらゆる生活必需品の価格がここ数年で急騰しています。今回のPJ100セミナーにおいては、代表の村上から、昨今の原油・ガスなどのエネルギー価格の動向やそれによる各方面への影響を解説しました。その際、現状では国による補助で安価になっている一部の化石燃料や電力の価格が、今後どのように推移するかの将来像予測ついてもお話し、そうした影響を見込んだうえで、自衛措置としてやっておくべき有効な対策について議論しました。続いて、ここ2、3年で新たな流れができつつある、高気密高断熱の集合住宅の現状について、代表理事の早田が解説しました。

 

まずは代表の村上より、「2022/23年 エネルギー価格と今後の推移」について。この1月、皆さん電気料金明細を見てびっくりすると思います。ついに電力価格が1kWh=50円を超える時代なりました。ただし2月からは、電力料金に上乗せされている燃料調整費のうち一部(7円/kWh)が補助金でカバーされます。またガソリンも、170円/Lの壁を死守するということで、それを超える分に税金が投入されています。

 

本来なら、こういったケースにおける補助金は、世帯人員1人あたり月にいくら、あるいは事業所であれば従業員1人あたりいくら、という形で補助しておいて、エネルギー価格自体は市場原理に任せれば、競争原理が働き、家庭でも、事業所でも、高いエネルギー代金をどうにか減らそうと努力し、省エネや再エネなどの推進につながりつつ、経済的な打撃は抑制されるはずです。しかし、短絡的にエネルギー価格抑制のために補助金をつけ、価格を抑制したことで、せっかく国が借金した税支出によっても、省エネや再エネの投資に大々的につながりません。残された借金を抱えることになる子どもたちの世代は、親の世代が(省エネや再エネに投資することはなく)エネルギーを安価にするためだけに利用したという批判を浴びせても仕方がないでしょう。

 

次に、天然ガス・石油・石炭などのエネルギー別の長期的・短期的な価格の推移と現在の値上がりの国際的政情も踏まえた背景、今後の予測についてです。ウクライナ・ロシアの情勢により、天然ガスや原油の価格が2倍前後上昇しているのは理解できますよね? ただし、石炭価格については2年前の6~7倍まで上昇しています。日本の火力発電の約半分以上の燃料になっている石炭の値上げによって、電気料金は値上げせざるを得ない状況です。そして、LPGまでが便乗的に値上げされています。日本のエネルギー価格は、エネルギー種別に関係なく軒並み高騰していますが、円安という理由もあって、今後も短期・中期的に大幅に値下がりする要素はあまり高くないといえるでしょう。

 

2022年度は、エネルギー価格抑制のために使われる補助金の合計は9兆円超にもなります。それゆえ、心ある人は、省エネと再エネに未来の子どもたちのためにも、以下のような投資をしてゆく必要があります:

 

エネルギー供給のゲームチェンジ:以下の「3つの神器」に投資してゆくしかないでしょう。電力は、「太陽光(自家消費)」と「風力・一部バイオマス」に。熱は、「省エネ建築」(断熱・気密)と「ヒートポンプ」(エアコン・エコキュート)に。運輸は「EV」に。また、これ以外にも、CVでこれまでもお伝えしているように、適度な密度で人がコンパクトに集まって居住し、車ではなく自転車や徒歩で移動できるようなインフラを準備し、ローカルな食材をローカルで消費し、肉を食べ過ぎない、です。

 

そして、今私たちが大きく注目している省エネの大きなゲームチェンジは、「人口減少に伴う集住化」「まちのコンパクト化」、そしてそれを推し進めるための「高性能・脱炭素型(例えば太陽光自家発電)・集合住宅(メインは賃貸住宅)」です。ですから、次に早田より「高気密高断熱の分譲/賃貸住宅の傾向」と題して話がありました。

 

一般的な戸建て住宅主体の街では、建物は戸別に隙間を作って建てられています。夏冬の暑く冷たい空気がその隙間を通りぬけるので、もったいない。その隙間の土地も活用できないことがほとんどで、もったいない。こうした課題に対して、集合住宅であれば一軒あたりの外皮が少なく熱効率も上がり、土地も活用できることを特徴としています。

 

早田が手掛けたニセコ町内の集合住宅の事例です。ニセコ町の8戸1棟の集合住宅は、UA値0.21W/㎡K、気密性能0.2㎠/㎡です。8戸の建物全体で6畳用エアコンが4台のみで暖房を賄います(エアコンで温められた空気を各戸に分配しています)。豪雪で雪が積もり、日中の最高気温が-4℃、最低気温が-15℃の時でも、室内は常に22℃をキープしています。夏場の外気温が30℃を超える日でも室温は約25℃で、年中同じくらいの室温をキープできます。壁が厚いので音もとても静か。この集合住宅は温かいので人気が高く、常に満室です。

 

この住宅については、入居後2年間かけて、住宅の電力消費量や室温・外気温の計測データについても蓄積してきました。EMSの制御システムの改善運用などを行い、暖房エネルギーをさらに抑制する取り組みも行っています。

 

これから電気代も物価も上がっていくことが予測される中、まず断熱性能を強化して、必要となるエネルギー自体を削減すると、長期的な経済効果も高まります。世界的に見ても、建物の断熱性能UA値は0.2~0.4W/m2Kを目指しています。日本でも本来は、HEAT20で言えば、G2ではなくG3レベル、断熱等級で言えば等級7の建物を目指していくべきでしょう。

 

これほど高性能で少しの電気で快適な住宅を作っていても、賃貸住宅の場合、戸建て注文住宅とは異なり、なかなかオーナーさんに選んでもらいにくい。賃貸ビジネスを考えると、いくら電気を使おうとそれは居住者負担なのでオーナーさんの関心が薄く、建築費は安いがエネルギー負担の大きい普通の集合住宅を建ててしまうことになっています。それで居住者は、音がうるさいからと賃貸を出て、安普請の戸建てに住み替える、と悪循環が続きます。そんな状況で、一体いつこの日本が脱炭素できるのでしょうか?このおかしな構図を変革するためにも、現在、私たちはこの分野に注力して活動をしています。

 

とはいえ、ここまで光熱費が高騰していると、今後、高性能な賃貸住宅の需要が急増するでしょう。まずは、それぞれの地域に1つでいいのでそうした事例を作ること。そうすれば、そこから一気に口コミが広がります。できることを皆さんも一緒に行動してゆきましょう。

 

(参考)SUUMO:ニセコ町に誕生の「最強断熱の集合住宅」、屋外マイナス14度でも室内エアコンなしで20度! 温室効果ガス排出量ゼロのまちづくりにも注目 

https://suumo.jp/journal/2023/01/10/192796/

 

2023年

1月

25日

10月19日PJ100セミナー「世界と日本国内の脱炭素先行事例について」を東京とZoomにて開催しました

今回は代表の村上による、地域を脱炭素する計画づくりにとても役に立つツールや事例について、解説がありました。

最近はよく「脱炭素」と聞くようになりましたが、CVの活動を始めた2008年頃は、CO2排出量1990年比20%マイナスを目指し「PJ20セミナー」、のちに80%マイナスを目指し「PJ80セミナー」を開催し、社会としてCO2を削減するために具体的に個々が何をすべきかということを伝えてきました。(現在は「PJ100セミナー」。)CV設立当初は、参加者のメインの人は工務店や建築士など建物関係者でした。CVに関わった工務店や設計士の方々は、ドイツに研修で来られたりセミナーで勉強されたりし、その方々の関わる建築物件においては、断熱や気密の水準が上がり、CVとしてある一定の役割を担えたと思っています。

 

2010年頃には、建物の燃費を客観的に計れる良いツールが日本にはありませんでした。そういったものが必要だということで、ドイツにあった「エネルギーパス」というソフトを日本に輸入し、日本の気象条件や建築条件に改善し、「一般社団法人エネルギーパス協会」を立ち上げ、国内での導入・普及をしてきました。こちらも、これまでかなり多くの方が受講し、「エージェント」という形で、建物のエネルギー計算ができるノウハウを取得し、ご自身のビジネスに活用されるようになっています。

 

その後日本でもFITが始まり、東日本大震災後に再エネの機運が高まり、「地域経済を豊かにするためには、地元の資本によって再エネを導入し使うべき」という話をPJ80セミナーでやってきました。特に、農村部の自治体は具体的に何ができるかを議論してきました。そんな中で特に北海道の下川町さんとCVが共同で取り組みをすることがあり、地域課題を解決していこうということで「持続可能な発展をめざす自治体会議(通称:持続会)」を設立し、現在8自治体が参加し、地域内経済循環を高める取り組みや、エネルギーやまちづくりに関わる勉強会を開催しています。

 

また2020年、当時の菅総理は所信表明演説において、日本が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言。CVはそれまで、建物の省エネ・太陽光発電・EVなどの個別の取り組みをしてきたが、「PJ100セミナー」と名称を変更し、「自分の住んでいる地域や自治体全体が脱炭素に向かっていくために、もっと広い視野で何をしなければいけないか」という観点が必要になり、それに合わせたセミナーの内容にしてきています。前回のPJでは金融の観点から、世界や日本のビジネスの社会においてどう脱炭素の取り組みが始まっているのか、銀行の融資先のポートフォリオで脱炭素をしていく圧力がかかっている社会状況について話をしました。

 

今回は、近頃耳にすることが増えてきた「脱炭素先行地域」と、2050年に日本全体が脱炭素しているという状況に向けて、どんなストーリーやツールが準備されているかという話をします。環境省の「脱炭素地域づくり支援サイト(https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/ )」を見ると、「脱炭素先行地域」の内容がわかります。

 

2050年にいきなり全ての自治体で、ではなく、まず2030年までに全国で100以上の地域エリアを選定し、先行して脱炭素を達成してから、他の地域に横展開していきましょう、という内容で、それを支援するための強力な予算措置も取られています。

 

ここでは、「実現可能性」にとても重点を置かれています。対象は、産業部門は含まず、まずは民生の家庭部門と業務部門と旅客や運輸の一部のみ、とりわけ電力部門にフォーカスされています。つまり、「脱炭素先行地域」は、2030年に民生部門の電力部門は脱炭素し、熱部門や運輸部門は政府目標(今のところ46%マイナス)に準じる、という定義になっています。

 

この「脱炭素先行地域」は、昨年(2021年)12月に応募が始まり、第一回目の選定が今年(2022年)2月にあり、全国で27の地域が選定されています。今後は、年に2回の選定で、2025年度までに毎回約20~30の自治体を合計4~6回で選定していく計画のようです。また、採択された地域では、2030年に自信が設定した地域エリアの電力の脱炭素化を目指さなければなりません。

 

熱と交通にはそれほど重点が置かれていませんが、電気の再エネが進められ、省エネではZEH/高効率機器とPV、EVがマストです。また既に実用化されている、市場で普及している技術で、インパクトのある再エネ供給のプロジェクトが必要です。また地域における合意が前提とされます。これまでの、書類のみの計画だったり、新しい技術を先導的に導入したものの実用化に至らなかった失敗事例の反省が強く活かされていると思われます。

 

「脱炭素先行地域」では、再エネや省エネを進めてCO2排出量をゼロに近づけることによって、その地域の「どんな地域課題が、どのように解決されるのか」というストーリーがかなり重要です。地域の資源を有効活用して、その地域をどのように豊かにしたいのかが問われているわけです。「脱炭素先行地域」に選定されると、例えば、省エネ建築を進めて、自家消費型の太陽光発電を設置して、EV車にシフトするということに、たくさんの予算が用意されています。

 

これまで、政令都市や環境モデル都市といった自治体においては、自分の自治体でどれくらいのCO2を排出しているか把握し、場合によっては「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」が既に作成されてます。しかし、それは、日本に1700ほどある自治体のうちの1/10ほどに過ぎません。これから、脱炭素に向けて対策を考えるほとんどに自治体においては、以下に紹介する便利なツールを使うとよいでしょう。

 

現状を分析し計画を立てるために、これまでのようにコンサルに頼らなくても、行政職員が簡単にできるようになっているので、ぜひ自治体職員の人は自分自身で事務事業編と区域施策編を策定してください。そのためのツールとして、最近とても優れたツールが環境省などから公開されています。

 

今回のセミナーでは、以下のシステム・ツールを実際に動かして見せながら、ツールの使い方や出力される内容、読み解き方などの解説をしました:

 

・事務事業編を策定するためのツールとして、環境省の「地方公共団体実行計画策定・実施支援サイト」の、自治体の温室効果ガス総排出量の算定・管理の支援等を目的とした支援システムLAPSS。(https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/ )

 

・区域施策編を策定するためのツールとして、自治体全域でざっくりと、どれくらいのCO2を排出しているかを把握するための「自治体排出量管理カルテ」。自治体で、民生・家庭・業務・運輸・産業、各部門全てのエネルギー消費量の推移が一目瞭然、また各自治体のFITによる再エネの状況も簡単にわかります。(https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/tools/karte.html )

 

・それで出てきたエネルギー消費量に対し、再エネや省エネで賄いカーボンゼロにしようとしたら、どれくらい再エネを作らないといけないか、という試算ができる「REPOS」。自分の自治体の再エネポテンシャルもわかります。(https://www.renewable-energy-potential.env.go.jp/RenewableEnergy/ )

 

・環境省のサイトからダウンロードできる「地域経済循環分析」。ダウンロードしたZIPデータを開き自治体名などを入れ実行すると、昔はコンサルに高い費用を払って作ってもらっていたような地域経済分析の詳細レポートが、簡単に自動作成できるようになっています。数十ページの分析データをよく読めば、その地域の経済の状況がよくわかり、地域課題の発見に役立ちます。(https://www.env.go.jp/policy/circulation/index.html )

 

・千葉大学の倉阪教授が脱炭素を検討する自治体向けに公開している「カーボンニュートラル・シミュレータ」。2050年の人口、2050年までの段階的なZEHやZEBの目標、自動車のEV移行、再エネの計画的導入などの目標%を入力していくと、何年にカーボンゼロが達成できるかが出てきます。(https://opossum.jpn.org/news/2021/09/30/805/ )

 

また、CVメンバーの、千葉商科大学基盤教育機構准教授田中信一郎氏より、「区域施策編」の策定や、「脱炭素先行地域」応募の重要なポイントとして、以下3点解説がありました:

 

1)「地域主導の再エネ」「公共施設の改修に合わせて断熱」「地域との連携、民間主導」の3点セットを常に意識に入れる。

2)産業は後回しでいい。大企業や大工場は、小規模自治体は個別の対策をするのには限度があるため、まずは地域の中小企業を支援すること。

3)温暖化対策計画を、独立させて作らなくてもいい。例えば、総合計画の中に脱炭素の計画を入れてもいい。

 

これらのツールをぜひ活用して、自分の住む地域をカーボンゼロにしていく取り組みや計画づくりに役立ててください、との話でした。

 

2022年

12月

07日

1月25日PJ100セミナー「エネルギー急騰時代 自衛対策 / 高性能集合住宅の傾向」を東京新橋にて開催します

 

世界的なエネルギー価格の高騰が生じています。ここに円安が加わり、私たちの電気・ガソリン・灯油・木材・食品・・・・etc. ありとあらゆる生活必需品の価格がここ数年で急騰しています。資源の多くを輸入に頼る私たちの暮らしはこの先、大丈夫でしょうか?

 

クラブヴォーバン(CV)は2008年から、CO2排出量を減らし、高騰してゆく未来の光熱費も見据えて、経済的、かつ健康的な暮らしを実現するための提言を行ってきました。具体的には、省エネ建築の推進、建物のエネルギー消費の見える化、太陽光発電やEV車などの推進など、省エネと再エネを両輪で進める活動を続けてきました。

 

今回のPJ100セミナーにおいては、代表の村上から、昨今の原油・ガスなどのエネルギー価格の動向やそれによる各方面への影響を解説します。その際、現状では国による補助で安価になっている一部の化石燃料価格が、今後どのようになっていくか、電力価格の将来像についても説明します。

そうした影響を見込んだうえで、自衛措置としてでやっておくべき有効な対策についてお話します。

 

続いて、ここ2、3年で新たな流れができつつある、高気密高断熱の集合住宅の現状について、代表理事の早田が数年ぶりにこのPJセミナーに登壇し、解説します。

 

 

■ PJ100セミナー「エネルギー急騰時代 自衛対策 / 高性能集合住宅の傾向

2023年1月25日(水)18:00~20:00 (東京・新橋にて開催)

 

① 村上 敦 「エネ価格急騰による各方面への影響と自衛対策」(30分)

② 早田 宏徳「高気密高断熱の分譲/賃貸集合住宅の傾向」(45分)

③ 質疑応答&ディスカッション

  @ 新橋クラブヴォーバン 開催 (東京都港区新橋2-5-6 大村ビル8階)

 

※ 終了後近隣飲食店にて懇親会開催予定(参加費各自)

 

事前申し込み要(開催一週間前まで) 

CVサポーター対象 参加費無料

(法人および持続会自治体正会員の方は3名まで無料)

 

■問い合わせ・申込み先■

一般社団法人クラブヴォーバン 

Email  mail@club-vauban.net

① ご氏名 

② ご所属(法人サポーターおよび自治体会員の方) 

③ メールアドレス 

④ 懇親会参加希望 有/無 

を明記してください。

後日参加に必要な情報をメールにてご連絡致します。

 

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2022年

8月

19日

8月4日PJ100セミナー「世界のBEVの普及の加速化と日本における状況について」をZoomにて開催しました

 脱炭素社会における個人での移動手段。

 

世界に目を向けると、近距離では自転車交通が新しい時代を迎えていますが、中距離では内燃機関を持たない電気自動車(BEV=Battery Electric Vehicle)で賄われることが、これからの将来のほぼ既定路線となっています。

 

日本では2010年から本格的な量産のBEV、日産リーフが世界に先駆けて普及をはじめましたが、車本体の価格や連続走行可能距離、充電スタンドなどの課題ばかりが大きな障害だという認識が社会に広がり、ここ数年で革命的に普及されている世界のBEVから周回遅れになったような状況に甘んじています。

 

今回は、産業技術総合研究所で長年太陽電池の研究員として従事されてきた櫻井啓一郎氏をお招きし、世界や日本での電気自動車の市場や政策、急速充電スタンドやバッテリーなどの技術面での最新動向について、個人的な見解としてレクチャーをしていただきました。櫻井氏は、ご自身もBEVを約7年愛用されています。

 

BEVのメリットとして、「乗り心地がよく、静か」「加速もスムーズ運転しやすい」「冬期でもすぐ暖房が効く」「構造がシンプルなのでメンテナンスコストが概して安い」「非常時の電源になる」「CO2排出量削減になる」などが挙げられます。一方デメリットとしては、「高い」「航続距離が短い」「充電に時間がかかる」「バッテリーの寿命が短い」「寒さに弱い」などが考えられてきましたが、技術革新により今はもう状況は変わってきています。

 

世界の新車市場においては、電気自動車の市場が急速に拡大しています。電気自動車(EV:PHV+BEV)の世界需要がほんの10年前の2012年には0.2%だったのに対し、2021年にはプラグインハイブリッド自動車(PHV)を除いた純粋な電気自動車(BEV)だけで8.3%、数十倍もの伸びです。

 

EVの普及が最も進んでいるノルウェーでは、何の義務も規則もないにも関わらず、去年は新車需要の6割がBEV、今年はさらに伸びて8割の見込みです。税金や高速料金でEVを優遇し、安く買って安く乗れるようにして充電環境を整えるだけで、これほど普及が進みました。EVを購入した人に調査をすると、約半数の人は「安いから」、続いて「環境保護」、「時間の節約」という理由で購入しています。北欧では、今ある技術だけで、EVが既存のガソリン車を駆逐できることが実証されています。

 

これほどEVが急速に普及した大きな理由は、バッテリーの価格がものすごく安くなったから。市場予測スピードよりさらに速く、価格が安くなり入手しやすくなっています。ニッケルもコバルトも使わない、寿命も長く安価なLFP型の普及も進んでいるので、将来的に太陽や風力などの変動再エネを一時的に溜めておくために使われていく可能性もあります。

 

欧米だけでなく、アジア新興国でも普及が進んでいます。タイでは、これまで日本メーカーのエンジン車が普及してきましたが、中国や台湾などの車メーカーを誘致しEV車生産に乗り出し、ハイブリッド車と変わらない金額でBEVが販売されています。インドネシア、マレーシア、ベトナムなどでも、投資誘致や税制優遇などでEV産業推進の動きが活発です。今中国がたくさんEV車を生産していますが、去年すでにエンジン車とそれほど変わらない金額でEVが売り出されています。中国はアフリカにも進出し、小型のEVを100万円くらいで販売する計画を進めています。中国では、新興EVメーカーが兆円単位を投資し競争力を持つEV大量生産のための新都市づくりなども始まっています。

 

EVの航続距離も伸びています。日産リーフが発売された10年前は、航続距離が百数十kmしかなくちょっと不便だったが、今や平均で約400kmに。600km超や1000kmのEVも出てきています。これを支えたのが、技術の進歩で、バッテリーのエネルギー密度が10年ほどで何倍にも向上しています。バッテリーは重くて嵩張り、長距離は走れない、という常識はもう過去のものです。充電時間も、昔は百数十km、1時間走行したら30分充電する必要がありましたが、今は例えばテスラでは200km、2時間走行したら、10分だけで充電ができます。サービスエリアに入り充電器につないでいる間、放置しておけるので、充電の間食事や買い物ができます。その後ガソリンスタンドにも行く必要がないので、充電インフラが整うと、実は時間が節約でき、使い勝手がかなりよくなるのです。バッテリーの耐久性も向上し、車体よりバッテリーの寿命の方が長いので、廃車からバッテリーを取り外して定置型で再利用するビジネスも出てきています。

 

ただ、欧米で進んでいる100kW~400kW級の超急速充電器網ですが、まだ残念ながら日本では整備が進んでいません。テスラ専用の充電器を除くと、日本では98%が90kW未満なので(2022年5月時点)、充電に非常に時間がかかるため、それも日本でEVの普及が進まない大きな原因と思われます。

 

EVはCO2排出量削減にも寄与します。最新のいろんな状況の変化を鑑み科学的に環境評価を行うと、EVの方がガソリン車より環境負荷が低いことはもう明らかになっています。

 

現在の日本の住宅は、7割が無断熱、またはほぼ無断熱なので、局所的な冷暖房が中心です。まだまだ石油ストーブなどの化石燃料も暖房に使用されています。災害などで長時間停電した際、寒冷時は燃料の備蓄ができますが、猛暑時はエアコンがないと熱中症で亡くなるリスクが高まります。住宅の脱炭素化には、まずは住宅の高断熱・高気密化が必要ですが、暖房もエアコンに切り替える必要があります。長期停電の際にはEVから給電できるので、住宅の脱炭素化や災害時対策としてもEVは寄与できます。

 

EVのコンセントは、ガソリンスタンドと違いどこにでも簡単に設置できます。数時間駐車をする自宅集合住宅、職場の駐車場には、急速充電器ではなく数kW~20kWくらいの低速充電器を設置し、数十分~数時間の比較的短期間しか駐車しないホテルやレストラン、ショッピングセンターや高速道路のSAなどの駐車場には、短時間で充電できる急速充電器を設置していくと普及が進むでしょう。

 

現在日本では、太陽光の電気は出力抑制など捨てられている余剰電力も多いですから、それをEVに充電できるといいですね。さらに昼間充電した太陽光の電気を、夕方の電力が逼迫する時間帯にEVのバッテリーから自宅で給電して使うことができるので、夕方に稼働している火力電力の削減や、国が海外から購入する燃料の削減にも寄与できます。余った再エネを活用できるのは、EVの大きなメリットです。

 

また、乗用車だけでなく、トラックやバスなどの大型車についても、EVは難しいから水素燃料という話も昔はありました、欧米では今はもうBEV化の動きが進んできています。

 

日本でも、一刻も早いEV普及のための社会インフラの整備が待ち望まれます

 

2022年

6月

07日

5月17日PJ100セミナー「金融と計測からの日本の脱炭素戦略」を開催しました

代表の村上より、「金融と計測からの日本の脱炭素戦略」についてのレクチャーとディスカッションでした。 

   

皆さんは、「CDPスコア」と言われて、ピンときますか? それでは「TCFD」とは?「GHGプロトコル」の「スコープ3」とは? 

 

 PJ100セミナーにおいては、これまで「持続可能なまちづくり」について情報共有をしてきましたが、今回は、これらの指標やこの潮流が将来、地域における脱炭素の取組みに、どのようなインパクトがあるかについて議論しました。

 

とりわけ日本の金融市場で、一年ほど前から企業活動における脱炭素に関わる激変が起こっています。これまでの企業のCSR活動などの環境の取り組みとも一線を画す、大きな潮流ができつつあります。金融や上場企業の世界では、これらの脱炭素に関わる指標は、経営を評価する非常に重要な事柄として、注目されるようになってきています。

 

まずは皆さん、「株価□○○社」とGoogleなどで検索してみましょう。「CDPスコア」という項目が表示されており、AやB、何も書かれていない会社などがあります。「CDPスコア」は、大手企業においては、「時価総額」などと並んで、企業を評価するための一つの指標としてすでに機能しています。また、新聞でも取り上げられていますが、自社の企業活動におけるCO2の排出量を独自に社内で1トンあたりいくら、という費用として「社内炭素価格(ICP)」を導入する動きが、国内の企業でも広がりつつあります。

 

「CDP」は、元々は「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」の略で、英国の非政府組織(NGO)が評価を行っています。2000年の発足以降、世界の大企業などに質問状を毎年送付し、自身の会社経営の環境へのインパクトを、CDPスコアを使って評価してもらい、それを開示しています。それが、パリ協定以降、とりわけ注目されるようになりました。それを開示することで、その企業の経営がより気候変動に対応したものに変化してゆくことが期待されています。また、それを公開することより、世界の投資家からのESG投資を呼び込めることも期待されています。

 

国内企業の環境に関する開示情報が、統一したフォーマットでまとめて掲載されている「エコノート」という優れたサイトができています。ここに、GHGプロトコル(温室効果ガスの排出量を算定・報告する際の国際的な基準)のスコープ計算と開示をどこまでやっているかとか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しているかどうかやその中身、CDPのスコア、SBT、RE100、FTSEなどなど、その他もろもろの環境や気候変動に関する指標への各企業の評価を確認することができますので、ぜひご活用ください。 https://www.econote.jp/abouts/

 

また、これまでCDPの質問状の送付先は500社だったものが、東京の株式市場がプライム市場に変わり、その1839社全てに送られる流れに今後なっていくようです。

 

世界経済フォーラム(タボス)会議で議論されている、今後10年間で最も影響が大きいグローバルリスクとして、しばらく前までは所得格差やサイバー攻撃やテロ、といった問題が主に注目されていたのが、近年では気候変動に関わるものが大きくクローズアップされています。

 

レクチャーでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やGHGプロトコルにおけるスコープ1、2、3などについて説明した後、これらの指標の活用による、今後の世界・国内の金融市場や社会システム、国内のビジネス、私たちの暮らしの大きな変化について、今後の見通しの解説がありました。2050年には、カーボンゼロが当たり前の世の中になるような制度設計がはじまっています。大手企業のみならず、数年後には中小企業や、私たちの普段の消費活動などにおいても、こうした制度による影響が出始めますから、その流れに取り残されないよう、情報収集を続けていく必要があります。

 

次に、クラブヴォーバンが現在取り組んでいる、SDGs未来都市ニセコでのまちづくりの進捗について情報共有がありました。これまでもこのPJ100セミナーで情報共有してきた「NISEKO生活・モデル地区構想」の街区の名称が、公募により「ニセコミライ」に決定しました。

 

街区自体の造成や建築を進めつつ、さまざまなニーズがある居住者の人たちの快適な暮らしをデザインし、建物のエネルギー自動管理(集合住宅用HEMS)、居住管理(ごみの出し方、自治会や管理組合からのお知らせなど)、住民交流(シェアリングエコノミーや地域通貨など)を一元管理するマネジメントシステム、「都市OS」も、入居が始まる2023年後半に向けて平行して開発を進めています。その内容について、紹介がありました。

 

また、CVも出資している(株)ニセコまちは、北海道電力や旭化成ホームズ、waiwai一級設計事務所、WELLNEST HOME(代表理事の早田の創業した超高性能住宅メーカー)などと連携協定を締結し、他の企業とも連携の協議を進めています。連携協定により、この街区やニセコ町内の地域課題に対する解決を目指していきます。

2022年

2月

21日

10月14日PJ100セミナー「待ったなし!の気候非常事態対策 “ 地域で優先的に実施すべきこと”」を開催しました

今回は代表の村上より、「待ったなし!の気候非常事態対策 “地域で優先的に実施すべきこと”」のレクチャーとディスカッションでした。

 

最初にクラブヴォーバンが現在取り組んでいる、ニセコSDGs未来都市のまちづくりの進捗について紹介がありました。クラブヴォーバンも出資している官民連携のまちづくり会社、(株)ニセコまちが、いよいよ9haの広大な土地を購入し、大きな額の銀行融資も受けるようになっています。今年は開発に関わる各種申請が行われ、雪解けを待って、来春にいよいよ造成工事が始まります。

 

なぜクラブヴォーバンは、ニセコのプロジェクトに関わることになったのでしょうか。そもそもクラブヴォーバンの「ヴォーバン」とは、村上の住んでいるドイツ・フライブルク市で、持続可能な住宅地開発が実現された「ヴォーバン住宅地」から名付けられています。『フライブルクのまちづくり(学芸出版社)』という村上の著書には詳細が描かれていますが、「日本でもこんなまちづくりを実現したい!」という強い想いがあって、共同で代表をしている早田と村上が一緒にヴォーバンのようなまちづくりを実現するため、クラブヴォーバンはスタートしています。

 

その後、まずはエネルギー対策によって、地方創生、地域活性化をしようと呼びかけた『キロワットアワー・イズ・マネー』を出版し、その本が縁で、ニセコ町、下川町をはじめとする自治体の方々と一緒に、2015年、「持続可能な発展を目指す自治体会議」を設立し、毎年2回の定例会と自治体相互視察を行ってきました。その流れで、ニセコ町の新庁舎建設の際の省エネアドバイザー業務を引き受けたり、環境モデル都市第2次アクションプランの調査委託事業を請けたり、SDGs自治体モデル事業に選定された「NISEKO生活・モデル地区構想事業」の構想、基本設計、実施設計に関わってきています。実施設計をする段階で、ニセコ町やニセコ町の地域の会社とともに「株式会社ニセコまち」を設立し、ここ数年はこのプロジェクトを中心にクラブヴォーバンは活動しています。

 

温暖化対策(区域施策編)の5か年計画であるニセコ町の環境モデル都市第2次アクションプランは、他の自治体にはなかなかない、演繹的な手法で対策を積み上げた、実効性のある計画です。(https://www.town.niseko.lg.jp/chosei/kankyo/model/

 

新庁舎は2021年5月からオープンし、Ua値=0.2W/㎡Kを下回る、超高断熱・高気密の庁舎が完成しています。基本的に凹凸の少ない建築躯体に、断熱材をたっぷり使用し、窓は高性能木製サッシで、性能の高いトリプルガラスを使っています。冷暖房をあまり使わなくても、躯体性能と内部で発生する熱だけで快適さを保つ、というしくみになっています。

 

「NISEKO生活・モデル地区(通称SDGs街区)構想事業」における開発は、人口5千人ほどの町に対して400~450人ほどの住宅街を作るインパクトの大きなものです。背景としてニセコ町では、2000年頃から子連れ世帯の転入が増え、人口が微増状態で、かつ、高齢化と核家族化が進み世帯数が激増し、住宅が足りないことが地域課題として挙げられています。とりわけ、子どもが巣立ち、広い一軒家で老夫婦二人で住んでいるが、高齢のため庭のメンテや除雪が難しいなど、住宅と居住者のミスマッチが増えている、という地域課題を解決しなくてはなりません。またニセコ町で仕事をしている、子どももいるような若い世代では、町内で住居を見つけられないため、町外から通勤している人もいます。また農村の持ち家の方であっても、ライフスタイルの変化により、大きな家に住み続けたくない、コンパクトでも手間がかからない家、そして暖かい家に住みたい、という大きな要望があることが住民アンケートでわかりました。これらの地域課題の解決のために、この住宅地開発は行われます。

 

開発の中身についてですが、世界的な気候中立をめざす流れを受け、ここでは最終的な目標を脱炭素に置いています。クラブヴォーバンの代表理事を務める早田の会社でもあるウェルネストホームなどエネルギーに強い数社と包括連携協定を結び、エネルギーをそれほど使わなくても暖かく涼しい暮らしができる高性能の集合住宅を実現し、太陽光発電や電気自動車の導入、LPガスによるコジェネやその他の再エネの可能性を追求してゆきます。建設完了時には、従来の住宅地開発に比べ、CO2排出量を54%ほど削減できる見通しで、残りの必要となる電力やガスについても、再エネ電力を購入したり、再エネ水素を導入したりすることで、2040年には脱炭素化も視野に入れています。

 

ここはモデル住宅地ではありますが、建築家のわがままを受け入れるような突拍子もないデザインなどは排除されます。質実剛健で、高品質、そしてデザインはごくごく普通の、100年経過しても違和感のない、集合住宅エリアを考えています。

 

次に「世界と日本のカーボンニュートラルの状況を知る」というテーマで、クラブヴォーバンのサポーターの方々のように、地域で活動する人たちが何を優先・率先してやるべきか、について、いくつかの視点が提供されました。

 

日本はこれまで、欧米諸国に比べて、地球温暖化対策に消極的でした。公害→規制→省エネ&効率化による経済発展と技術革新を繰り返し、他国との比較で、やるべきことはやっているという認識が、90年代の日本だったと思います。それゆえ、1997年の京都議定書以来、社会をアップデートしてきませんでした。その影響で、気が付くと、電源構成、省エネ、社会のエネルギー効率、再エネなどの新しい分野で欧米諸国から遅れているところが目立つようになり、さらには中国やインドなどの新興国にもキャッチアップされています。それゆえ、日本政府は方針を転換し、2050年までに気候中立(CO2排出量ネットゼロ)、2030年までに45%(13年比)削減、家庭部門で66%削減を、国家方針として打ち出さなくてはならなくなりました。

 

IPCCの第6次報告書が21年、22年と順次発表されてゆきますが、2014年に発表された第5次報告書に比べ、かなり危機感が強まり、踏み込んだ内容になっており、その結果は人類にとって非常に都合の悪い、センセーショナルなものになっています。今世紀末までの気温の上昇の予想は、より深刻なものになっており、日本においても既に1℃以上気温が上昇していると言われています。最近の夏の猛暑では、40℃は珍しくない数字になりました。海外では、カナダやギリシャなどでも、50℃に対する心配がなされるようになっています。

 

メディアを含め、多くの方は、現状とやらなければならないことの隔離が大きすぎて、思考停止になりがちです。そのような中で、もし皆さんのような地域の方々が、アクティブに気候中立、再エネ自立を目指したときに、何ができるのか、それによってどのような効果が得られるのでしょうか。

 

日本のコロナ禍において、GDPは▲4.8%でしたが、電力消費量はたったの▲2.5%。つまり、市民や公共、企業のなどの「行動変容=我慢」で期待できる最大限のCO2排出量の削減は▲3~5%程度です。それでは、脱炭素社会に向かうことはできません。みなさんは、どんな会社の商品を購入するか、どんな自治体にコミットするか、どんな政党や政治家に投票・応援するか、その行為おいて、社会を変えていく効果があることを再認識する必要があります。また、世界ではどんどんゲームチェンジが起こっています。

 

日本においても、家庭や事業所の屋根に乗せる小規模、中規模の太陽光発電がかなり廉価になってきました。1kW当たりの価格で、作業費やパワコンなど全て込みでも15~20万円で設置可能です。数年前には太陽光発電には必ず買い取り制度が必要でしたが、今では自家消費をメインとするモデルが一般的です。この変化は非常に大きいです。政策に左右されず、経済的な太陽光発電の設置が推進できるわけですから。

 

もう一つ、私たちがすぐに取り掛かれるものとしては、省エネ建築(高断熱・高気密)があります。現在ならUA値0.3W/㎡K以下、c値0.2㎠のレベルを進める必要があります。なぜなら、現在新築したり、大規模に改修したりする建物は、2050年まで利用されるからであり、脱炭素のレベルにないといけないからです。

 

15年など長期で見ると、イニシャルコストとランニングコストを合算したものは、こうした高性能の建築でもプラス収支になります。もちろん、窓は樹脂か木製のトリプルガラスが標準です。民生家庭部門において、今ある市場の中で、最高級グレードの断熱・気密の対策をして、屋根に太陽光発電を載せる、ということ以上に、民生家庭部門で効果のある地球温暖化対策はみあたりません。高層の集合住宅や新しい住宅エリアができる場合には、近隣の敷地とトータルでゼロエネルギーになるような、オフサイトPPAなどにも取り組む必要が出てくるでしょう。

 

またドイツをはじめとする世界の多くの国々の自動車市場では、ゲームチェンジが起きて、自家用車はEVに完全にシフトしています。こちらも今すぐに取り組める脱炭素のための対策です。エネルギーコストは毎年値上がりを続けてゆきます。まずは省エネ、そして再エネ、さらには電化、という流れを私たちが市場を作り出すことで、一刻も早く、地域から脱炭素社会への道のりを目指す必要があります。

 

2021年

6月

21日

5月19日PJ100セミナー「“ロゴだけ”“フリだけ”にしない ホンモノのSDGs」をZoomにて開催しました

今やあちこちで見かけるようになったSDGsのロゴマークやビジネスマンの襟元のSDGsバッジ。日本国内でもSDGsが広く知られるようになると同時に、一方で「SDGsは企業の宣伝のための都合のいいツール」とか「政府のアリバイ作りのようなもの」だといった批判も聞こえてくるようになってきました。

「SDGsって、なんだかモヤモヤする・・・」そう思ったのがきっかけで、ノンフィクションライターの高橋真樹氏は取材を重ね、SDGsが形だけになりがちな理由を解き明かし、8つの論点と7つの先進事例から、ホンモノのSDGs・ホンモノの持続可能性について考えました。

今回のPJ100セミナーでは、高橋氏から日本のSDGsについてレクチャーをしていただき、その後に、先進的な実践事例の1つとして紹介された北海道ニセコ町のSDGsモデル地区の構築・開発にクラブヴォーバンが深く関わっていますので、代表の村上よりその進捗について情報提供をしました。

まず代表の村上より挨拶。

2030年までにCO2排出量▲45%と、ついに日本政府も言い出しました。ドイツでも、2030年までに目標値▲55%だったものが、▲65%に引き上げられ、気候中立目標も、2050年までだったものが2045年までに前倒しに。世論的にも、かなり圧力が高まっています。私たちは、「低炭素型社会の実現」を掲げ長い間活動してきたトップランナーの団体の一つとして、「持続可能なまちづくり」ということで、日本でやれることをやっていきたい。

国連の掲げた「SDGs」だが、日本だけ、“SDGs”という言葉が突出して一人歩きしているように思います。取組みの進んでいるドイツでも、その言葉はほとんど知られていません。高橋さんが、日本のSDGsを取材し、本を出されたので、内容をお話いただきます、とのことでした。

 

ノンフィクションライターの高橋氏より 「“ロゴだけ”“フリだけ”にしない ホンモノのSDGs」について。

 

SDGsに関する本が既に数百冊出版されている中、自分が書く意味は何か?を考え、「日本のSDGs それってほんとにサステナブル?」という本を執筆。私自身、日本でSDGsの話を聞くにつけモヤモヤしていたので、取材して整理し、モヤモヤを紐解くことにしました。

 

SDGs = 持続可能な開発目標:17のゴール(目標)と169のターゲット(手段)。ヨーロッパでは、市民の意識の中に「持続可能」という意識が根付いているが、日本では根なかなか付いてきませんでした。「持続可能」とは?・・・国連では、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現代の世代の欲求を満足させること」と説明しているが、言い換えると「いまの世代のニーズを満たすことを優先して、将来世代の可能性を奪ってはならない」ということと思います。いま、必要以上の資源を使って、次世代へのツケをこれ以上残してはいけません。

 

SDGsの正式名称は「我々の世界を変革する 持続可能な開発のための2030アジェンダ」。これは、国連が「持続不可能ないまの世界を変えなければいけない」という宣言をしたということ。半端な覚悟じゃできません

 

新型コロナ(=人獣共通感染症)が社会問題になっていますが、一時的におさまっても、今の世の中の在り方を変えていかなければ何度も繰り返されます。今、地球上には、家畜が60%、人間が36%、そして野生の動物はたった4%しかいません。96%が人間の都合で増やしてきた動物。こうして人間は、例えば、広まりやすいウィルスが急激に広がりやすい環境を作ってきてしまった。この構造を変えることは、ものすごく大変。日々の食肉を減らすなどの視点でも考えなくてはいけません。人間、生態系、動物の健康を「ワンヘルス(ひとつの健康)」という考えで、守っていくことが大事

 

前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)などでも、貧困や環境などが取り上げられてきたが、専門家だけではなく、やはり全ての人たちを巻き込まなければ広まらない、ということでSDGsになってきました。なので、特に目新しいことはSDGsで言われてない。SDGsの「新しさ」は、実は内容ではなく、「古くて新しい人類の宿題」が「バラバラだった」ものを、まとめた、ということ。クラブヴォーバンがSDGsを掲げず、これまでずっと取り組んできたことも、SDGsです。

 

SDGsには、いままでの国際目標とは異なる「特徴」があります。それは「ウェディングケーキモデル」で、経済、社会、環境は一体だが、並列ではなく、土台となる地球環境が崩れると、社会も経済も崩れてしまう、というモデル

 

SDGs二大コンセプト:①トランスフォーメーション ②誰一人取り残さない

トランスフォーメーション、社会の大転換をやっていく過程で、犠牲になる人がいてはいけないということだが、それはとても難しいことです。

 

これらを踏まえた上で、日本のSDGsを検証してみたところ、何かおかしいと感じました。SDGsは、「バッチをつけること」ではありません。よくないことをやっている企業名とSDGsと検索すると、みんなで手を取り合ってより良い未来をつくろう、みたいな取組みが出てくる。SDGsを“ウオッシュ”として使っているのでは?となってしまう

 

SDGsで“タグ付け”や“トレードオフ”をしてはだめです!例えば、不祥事を連発しているある企業が、CO2削減をしている一つの取り組みを切り出して、SDGsを使って企業イメージを形作るというのは、通用しません。トータルで考えてプラスにならない産業を、社会や消費者側から、「それは違う」とプレッシャーかけていかないといけないが、そこが日本社会の弱いところ。現状でやっていることを変えないで、SDGsに合う都合のいい面だけを、タグ付けするのはよくない

日本は啓発が好きだが、啓発だけでなく、社会の仕組みを変えることが大事。日本の政府の与党党の4役の平均年齢70歳以上。一方、フィンランドでは、連立5与党のうち、3つの党首が30代女性で、閣僚19人中女性が12人です。

 

最新技術ではなく、ローテクを広げることが大事。「炭素貯留」「スーパーシティ」など、最新技術だけでは課題解決はできなません。そんなことより、私はエコ住宅に住んでいるので、各家庭の太陽熱発電や内窓を変えること、これだけで世の中がかなり変わるのではないかと思っています。

本物のコスト(外部コスト)を意識する!「安い」とは何か?例えば、目先の発電単価とかではなく、隠されたコストなどをちゃんと考えて仕組みを作っていかないと、結局みんなが損をしてしまいます。企業・自治体と消費者との緊張感が必要。SDGsは、おいしいところ取りではだめ!

 

SDGsの実践事例として、2018年にドイツ・ドレヴィッツ(旧東ドイツ)の、団地の省エネ改修・地域再生の取組みを取材しました。ドイツでは、旧東ドイツでさえも、「寒くない、熱くない、うるさくない家」は元々当たり前でした。そうした家を、さらに進めて低所得者や貧困世帯まで広げようというのが、このガーデンシティプロジェクト。貧困世帯の増加や建物の老朽化で地価も下がっていた団地が、外断熱と樹脂製サッシのトリプルガラスを導入、地域熱供給・再エネ100%にする改修で、エネルギー消費量が改修前の50%に削減されました。その他にも、高齢者対応のバリアフリー化、レンタサイクルや公共交通を充実させ駐車場だったスペースを緑化して、子どもたちが遊び高齢者が憩える公園を作りました。個人のマイカー利用は60%削減されました。

 

最初住民から反対意見がありましたが、年間60回もの対話集会を開催。その中から開発者側と住民の間に信頼関係が徐々に生まれ、自分たちのことを考えてくれた、と反対の人も理解を示すようになりました。

 

2020年現在、このプロジェクトの35%が完成、7割以上の住民が改修後の団地に戻ってきました。ここに住むことへの誇りが生まれ、若者や中間層の人々も移住してくるようになり、地域の資産価値は上がり、もはや「見捨てられた場所」ではなくなりました。このプロジェクトにSDGsの目標を当てはめてみると、1,2,3,4,5, 7,8,10,11,13,15,16,17に対応していました。これが、本物のSDGsだと思います。でも、ここの団地でSDGsのバッチをしている人はいないし、SDGsをうたっていたわけではありません。SDGsの目標に1個取り組んでいるから、SDGsをやっているというわけではないのです。

 

一方、災害大国の日本の避難所の状況は、今でも体育館に雑魚寝。難民支援の基準以下。100年前と変わらない。そんな状況だけど、できない理由よりできる方法を探すことが重要です。

 

日本でも、高校生が企画し学校を断熱改修するプロジェクトが進んでいたり、木造賃貸アパートを断熱改修してハイグレードなアパートにしたり、という事例が出てきています。京都の亀岡市でも、自治体がプラスチックごみゼロ宣言、レジ袋禁止条例など、町の中心を流れる十津川の環境を守るということで、国に先駆けた取り組みをしてきました。

 

SDGsに取り組む3つのポイントがあります。

①余力ではなく「本業でやる」→ちょっといいことではない、メインの事業でストレートに

②タグ付けで満足せず「ぜんぶやる」→1つのゴールだけタグ付けして、あたかもSDGsをやっているように言わない

③できていない部分を確認する「ツール」に

 

日本でも、ようやく社会が変わってきました。最初からぜんぶやるのは難しいが、SDGsは「答え合わせ」として活用するといいと思います。

 

質疑応答の場で参加者より、「私もモヤモヤしていたがすっきりした」「去年から小学校の教育要綱の中でSDGsが入ってきて、子どもたちが知っているのに、大人が知らないということも起こってきている」「日本はドイツに比べ15年は遅れている。日本の産業界はまだ全然意識が変わっていない。脱石炭にしても電気自動車にしても、途上国、新興国の方が速い。出遅れるほど、ビジネスチャンスがなくなるのに」などの意見が出ました。

 

村上より、「本来、この問題を引き起こしたのは大人の責任。女性の社会進出で、女性が頑張ればいいと言って男性が何も変わらないのは違うのと同じように、この問題を子どもに押し付けるのではなく、大人自身も変わらないといけない」とのコメントがありました。

 

また高橋氏からも「ただSDGsタグ付けをしただけのものを買わされないように、消費につなげていくことが大事」「ルワンダで、レジ袋を輸入していたがやめて国内で紙袋生産したら、国内が潤った事例がある」なのコメントがありました。

 

最後に、代表の村上より「ニセコ町のSDGsモデル街区事業の進捗状況」について。

 

クラブヴォーバンも出資している「株式会社ニセコまち」が進めているニセコ町のSDGsモデル街区事業の進捗について、定期的にサポーターの皆さんにこの場で報告をしています。今開発申請を進めています。人口増で住宅が足りていないニセコ町において、高気密高断熱の集合住宅を作り、一部分譲、多くは賃貸、EVのカーシェア、地域熱供給を行い、という構想で2030年までの期間に450人分の新住居を作る予定です。隣の倶知安には2030年新幹線が開通する予定で、札幌がオリンピック立候補する話もあります。

 

ドレヴィッツの話が先ほど出てきたが、ニセコでも住民の方と隔週で話し合う機会を持っています。ニセコは海外資本家により乱開発されてきたこともあり、開発自体に懐疑的な声もあります。これから開発する街区のことだけでなく、住民からの要望に、どんな法的な枠組みがあるのか、調べて回答するようにしています。行政の総合計画があり、のことも住民の人は知らない。御用聞きでもなく、いろんな意見を聞き、我々も悩みながら、一緒に考えています。

 

ニセコ町では、早くから環境モデル都市ということで、2030年までに2015年比で44%、2050年までに86%、CO2排出量を削減すると目標を立て取り組んできましたが、昨秋に国がゼロカーボンを言い始めたので、数値をさらに上乗せする必要が出てきました。冬場の気温が▲15℃当たり前、太陽や風力や地熱などの再エネもあまりないニセコ町で、経済性も担保しながら、できることを積み上げて、CO2を大幅に削減するまちをつくっていくのは大きなチャレンジです。

 

住民が賛成/反対で分裂するのはよくないことだし、また、全ての要望を叶えることもできません。皆さんの意見も正面から受け止め続けることで、今後何が生まれていくかは楽しみです。この過程がSDGs。我々は本当に苦しんでいますが(笑)、先に出たドレヴィッツの開発でも同じような苦しみを乗り越えて実現されてきたと思うので、我々も皆さんに祝福されるようなまちづくりを、ニセコ町で実現していきたいと思います。

 

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高橋真樹氏の著書・ブログ紹介:

新刊『日本のSDGs それってホントにサステナブル?』(大月書店)  

『僕の村は壁で囲まれた〜パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)

「高橋さんちのKOEDO低燃費生活」(エコハウス生活ブログ)

 

2021年

2月

01日

1月20日PJ100セミナー「2050年 カーボンゼロ社会 実現へ!」をZoomにて開催しました

地球温暖化対策の新たな国際的枠組みが決められた2015年のパリ協定(COP21)から既に5年。この10月、日本政府として初めてそしてようやく、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標が発表されました。今から即時に【気候中立Ready】、その後に【気候中立】を目指さなければならない社会状況になりました。

 

2008年から一貫して「低炭素型社会の実現」に向けての国内外のさまざまな事例や取組みを発信・提言してきた一社クラブヴォーバン(CV)。これまで開催してきたPJ80セミナーを “PJ100セミナー”(PJ100:プロジェクトCO2排出量マイナス100%)と名称改め、発信するだけでなく自らも実践者として取り組んでいるCVコアメンバーの、現在進行中の”持続可能な発展”のための活動や取り組みをご紹介しました。

 

 

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2020年

12月

18日

1月20日PJ100セミナー「2050年 カーボンゼロ社会 実現へ!」をZoomにて開催します

地球温暖化対策の新たな国際的枠組みが決められた2015年のパリ協定(COP21)から既に5年。この10月、日本政府として初めてそしてようやく、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標が発表されました。今から即時に【気候中立Ready】、その後に【気候中立】を目指さなければならない社会状況になりました。

 

2008年から一貫して「低炭素型社会の実現」に向けての国内外のさまざまな事例や取組みを発信・提言してきた一社クラブヴォーバン(CV)。これまで開催してきたPJ80セミナーを “PJ100セミナー”(PJ100:プロジェクト‘90年比CO2排出量マイナス100%)と名称改め、発信するだけでなく自らも実践者として取り組んでいるCVコアメンバーの、現在進行中の”持続可能な発展”のための活動や取り組みをご紹介します。

 

「いい話を聞いたね」で終わりではなく、このセミナーがぜひ、皆さん自身の今後の活動へと繋がっていき、コラボする機会になっていけたらと願っています。

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2020年

11月

20日

10月20日PJ80セミナー 「SDGs未来都市・ニセコ町 持続可能なまちづくり会社始動!」をZoomにて開催しました

クラブヴォーバンサポーター・会員(個人・法人・自治体)を対象に、10月20日、PJ80セミナー「SDGs未来都市・ニセコ町持続可能なまちづくり会社始動!」をZoomにて開催しました。

 

北海道・ニセコ町は環境モデル都市に国から認定され、これまで日本で先進的な取組をすすめてきました。そして、クラブヴォーバン(CV)は2018年より、ニセコ町の「第2次ニセコ町環境モデル都市アクションプラン策定にかかる調査研究」「NISEKO生活・モデル地区都市事業構想策定・基本設計等」の委託業務を行ってきました。

 

さらに2018年、ニセコ町は「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に認定されました。そしてSDGs未来都市のモデル事業に選定されたこの「NISEKO生活・モデル地区」の計画を、 “絵に描いた餅” で終わらせないために、今年7月、ニセコ町・地域事業者・CVで共同出資し、まちづくりを実行していく主体となる地域まちづくり会社「株式会社ニセコまち」を設立しました。

 

まずはその新会社のヴィジョンやコンセプト・事業内容などについて、CV理事であり新会社の取締役に就任した田中健人氏が説明しました。

 

この会社の事業として、SDGsモデル地区のまちづくりとエネルギー、街区のブランド化を担っていきます。日本のこれまでの一般的な土地開発とはまったく違った新しいコンセプトのもと、地域から流出しているエネルギー費用を地域内に押しとどめることによって、未来に向かって長期的に地域をより豊かにしていくことを目指します。エネルギーについては、これまで町内外のエネルギー事業者が供給し、利益の大半が町外に流出していたものを、地域エネルギー会社を立ち上げ自分たちで担っていくことで、利益(付加価値)を町内に還元し、ノウハウも蓄積していきます。

 

元々の計画では、まずは分譲住宅エリアの分譲住宅を購入する人を全国から広く募り、それを賃貸その他のエリアの開発資金に回す予定でしたが、町からの強い要望で、分譲住宅はまちづくり会社で保持してほしいということになったため、今後資金集めが大きな課題です。

 

CVからは、田中氏や代表の他、PTメンバーの仲埜氏や陶山氏が深く関わり、またニセコ町役場・地元企業のほか、新たな仲間として迎えたのが、建築家/くらし研究家の土谷貞雄氏・参加型まちづくりのファンド「ハロー!RENOVATION」を運営している(株)エンジョイワークスの福田和則氏・東南アジアで自立支援などを行っている魯迅美術学院現代芸術学部教授の沓名美和氏。元々CVは省エネや再エネといったエネルギーには強いですが、“まちづくり”には多様な専門性が求められるため、暮らし・ファンディング・デザインといった専門性を持つ方々に新たに仲間に入っていただきました。

 

この事業は、計画段階にもかかわらず、すでに本事業の取り組みが各種メディアなどから多数取材の依頼が来ています。また、地元金融機関にも、「SDGsモデル街区」ということで注目をいただいています。

 

次に代表の村上から、「ニセコ町SDGs 街区における省エネ・地域熱供給の取り組み 気候中立Ready!」についての話題提供がありました。

 

ニセコ町は、2050年に気候中立・気候ニュートラルを宣言しましたが、残念ながら冬場の莫大な暖房需要をカバーできるだけの、太陽光も風力も地熱(調査中)もあるわけではありません。環境省のCOOL CHOICE事業は、やって意味がないということはないが、申し訳ないがこのまま進めても残念ながらCO2ゼロにはなりません。というのは、2020年の世界各国におけるコロナ禍で、強制や自粛的なロックダウンにより、各国の経済は推計GDP▲10~25%。多くの人が失業したり、大きな工場などが止まったりしたにも関らず、ドイツの電力消費量は上半期で前年比▲5.7%。化石燃料由来のCO2排出量も▲5%。日本の ‘19年上半期の電力消費量はわずか▲3.6%でした。COOL CHOICE事業や皆さん市民や公共・企業などの「行動変容」の呼びかけで期待できる最大限のCO2排出量は、どんなに頑張っても最大▲5%程度と予測されます。

 

2050年にゼロカーボン・気候中立を目指すならば、従来の「経済 VS. 環境」ではもう限界です。「経済 = 環境」つまり、経済活動が豊かで、エネ消費量を低減させていくためには、「システムや制度の大転換」が必要です。それは市民による 政治/投票行動と消費(投票/投資)行動 によってのみ達成されます。コロナ影響下においても、今年9月25日、世界170か国3000都市、140万人以上の若者が、気候中立のFriday for Futureデモに参加しました。ドイツでも450か所、20万人が参加(オンライン参加者はもっと)。日本は4千人、ほぼ報道もされていません。

 

ちなみにドイツでは国として 2050 年に気候中立はすでに謳われていますが、気温を2℃/1.5℃下げる目標値には足りないため、 2035~40年に気候中立を目指すことを、気候危機宣言、FFF(Friday for Future)の活動としています

 

ドイツは、2019年の電力消費量に対して、再エネ発電の割合は40%になりました。再エネ推進前の1990 年は水力の3%のみだったので、再エネ割合は29 年間で37%の増加(年に1.3%ずつ増加)です。ドイツ、2019年12月、連邦衆議院で決議された《気候保護法》では、1990年基準年で2022年に40%弱削減、2030年に55%以上削減が明記されています。「気候中立」は電気部門だけでなく、熱部門や交通部門も併せてのことなので、ドイツで拡大余地がある太陽光・風力発電を現状の更に4~5倍程度増やしていくことが必要です。また気候中立の世の中では、一度建物の中を、エネルギーを使って冷やしたり温めたりしたら、1週間そのままで過ごせるくらいの高気密高断熱の性能の家でなければなりません。そのような建物インフラの整備に目途が立ってから意味があることですが、次は再エネの余剰電力を活用する、Power to Heat は2015~25年ぐらいにドイツでは普遍化している最中です。Power to Gas、Power to Liquid、Power to Industryといった技術開発やインフラも順次、整ってきています。

 

そのような世界の先進的な動向を踏まえ、気候中立を目指すニセコの街区の基本設計・構想にどのように活かし、具体的に検討しているか、一部を紹介しました。

 

ディスカッションでは、資金調達などについて、参加者のサポーターの方々から貴重なアドバイスやご意見もありました。今後も引き続き、サポーターや一般の方々向けに、オープンにできることから全国に発信していきます。

2020年

1月

10日

10月11日 PJ80セミナーin大阪「わたしたちのめざす“持続可能な”未来に向けた『まちづくり』への15取組み」を開催しました

10月11日、わたしたちのめざす“持続可能な”未来に向けた「まちづくり」への取組み in 大阪 を開催、SDGs(持続可能な開発目標)というキーワードを耳にする機会が増えてきました。

クラブヴォーバンは2008年に設立し、子どもや孫の世代までも豊かに暮らしていけるために、低炭素型の「持続可能なまちづくり」に取り組んでいる専門家たちが集う“場(サロン)“です。第一線で活躍しているメンバーや仲間たちが東京・大阪で一堂に会し、最新の取組みやトピックについて発表しました。

 

 

 まず代表理事の早田宏徳から挨拶。2008年から低炭素型社会に向けて、PJ80(プロジェクト‘90年比CO2マイナス80%。当初はPJ25)セミナーを開催してきました。最近グレタさんからはじまった世界中の若者の取り組みについて耳にすることも多いですが、私は10年以上前に、村上にドイツを案内してもらって(環境への取組みに)感動して、日本を変革したいと思い、クラブヴォーバンを始めています。すでに10月ですが、この週末には過去最大級レベルの台風が日本に接近しています。これは地球温暖化、つまり海水温の上昇が原因といえるでしょう。今回のセミナーでの話は、聴いてインプットしただけで満足するのではなく、皆さんどんどんとアウトプットもして社会を変えていきましょう。

 

 

最初に、Tサポート代表の村上稔氏より「地域を元気にするビジネス 買い物難民対策〜インバウンド」について。徳島県は人口73万人で19年連続人口が減少しています。今は毎年7千人もの人口が流出しています。棚田を続けている高齢者ももう自分の代で終わりという人が多く、どんどん田舎の暮らしや風景が喪われています。

 

人が暮らせる3条件 ①食料がある(食べるものを買える) ②安心して暮らせる(仕事・家・病院・見守り) ③心豊かに暮らせる(教育・文化芸術) この3つを実現できるビジネスということで、徳島県で「移動スーパー・とくし丸」と「うずしおゲストハウス」を経営しています。農水省の推計では「買い物難民」の推計が825万人、高齢化が進んでいるので数年以内に1000万人を超える勢いだそうです。しかし今年には、徳島新聞で“移動スーパー「とくし丸」が県内全市町村カバーへ”という記事が掲載さえました。現在、県内24全市町村を28台のとくし丸が回っており、県内の買い物難民問題を90%以上解決していると自負しています。

 

また総務省調査では、買い物難民対策事業の7割が赤字という結果だったのに対し、とくし丸は販売パートナーさん全車で黒字。とくし丸の事業は、「本部機能」「オーナー経営者である販売パートナー」「商品供給基地である地域スーパー」「商品価格に+10円を上乗せして買い物をするお客様」の4者の協力があってこそ、経営が成立しています。とくし丸は ①買い物支援 ②高齢者の域外づくり(ふれあい・買い物の愉しみ) ③見守り ④地域コミュニティの活性化 ⑤大手と闘う地元スーパーの応援 ⑥行政予算の削減 ⑥個人の創業支援 ⑦CO2排出削減 などの社会的な課題の解決に寄与しています。

 

話は変わりますが、鳴門には、うず潮・四国八十八霊場の第一番札所・大塚国際美術館・鳴門の阿波踊りなどの観光資源があります。ここに古い民宿をクラウドファウンディングで資金を集めてリノベーションし、ゲストハウスを開始しています。開業2年半で宿泊施設稼働率の低い徳島において、今では稼働率68%になり、「田舎に残る」⇒「田舎でこそ儲かる」ビジネスにしていくために様々な工夫をしているところです。

 

 

次にsonraku代表の井筒耕平氏より、「温浴施設のリノベーションを拠点とした地域イノベーションづくり」についてお話がありました。会社のビジョンは「成長型社会の次の時代の幸せ総量を増やすこと」、ミッションは「成長型社会から成熟社会への移行期に、取り残された日本の資源を再生すること」です。

 

西粟倉村の人口は1480人で、林野率は95%。山の管理でまず大事なことは、「自分の山がいくらになるのかわからない」という人が多いので、ドローンなどを飛ばし、樹齢や樹種や本数などから、大体いくら、というのを算定することからはじまります。それが西粟倉村ではできてきているので、三井住友信託銀行との森林保全もできました。今の西粟倉村は新築ラッシュ。役場の建て直しがあったり、廃校利用でベンチャー企業が入り、若い移住者が増えています。

 

村のビジョンは「100年の森構想」と「ローカルベンチャー創造」です。西粟倉村の役場の気風は、NPOやベンチャー的なスピード感や社会課題への意識があり、住民・行政・移住者がフラットなのが特徴です。西粟倉ローカルベンチャーの特徴は、林業・木材系とサービス系が主で、「こだわらない」、そして「結果を出すこと」です。過去13年で33社、直近3年で18社が起業しています。´08年に1億円だった林業における売上高は、2018年には8億円になりました。15歳未満の子どもの人口も増加しています。

 

そんな状況の中でのsonraku事業としては西粟倉村での ①岡山・西粟倉の木質バイオマスを軸とした、地域エネルギーコンサルティング ②遊休施設リノベ事業(温浴施設/ゲストハウスの運営含む) ③香川・豊島での孤児院の遊休施設をリノベしたゲストハウス運営 をしています。今後の課題は、「地域の総合力を上げていくこと」「断熱気密リノベ」「労働生産性&顧客満足度&従業員満足度の向上」となっています。

 

 

CV代表の村上敦からは、「温浴施設における省エネの取組の可能性」 について。一般的に日本の温浴施設では、ドイツでは新設の禁止となるような設備効率の悪いものが多数で構成されています。新品のボイラー室でも、その中を詳しく見てみると、蓄熱タンク/貯湯槽は断熱不足だし、温度管理も的確に行われておらず、循環ポンプもインバーター制御のないものばかり。問題点をまとめてみると

① 熱供給に置いて非常に重要なバッファー、密閉型で、断熱型の蓄熱タンク設置によって過剰な熱源出力の配備を避けるという思想が欠如しています。家庭における瞬間湯沸かし器は、熱を貯めないのでロスもなく省エネ型だが、その設備の考え方をそのまま巨大化しただけなのが日本の温浴施設の設備の特徴です。また、ピーク時の湯切れを恐れるばかり、巨大・過剰な貯湯槽が設置されているものの、そこから熱が逃げたり、温度管理をしたりという発想はほぼなく、「湯切れしなければOK」という荒っぽい考え方で設計されていないものがほとんど。

② 温浴施設では非常に重要な熱交換器の活用方法において、根本的な省エネ的な思想が欠如されており、また循環ポンプの設置設計における省エネの思想も欠如しています。70~80年代に東欧州で使われていたかのようなバカでかいアナログ使用の設備が、未だに日本では新たに設置され、常に「大は小を兼ねる」的に使われている。

③ 循環ポンプにおいて省エネが可能であるという考えが頭からありません。ドイツでは、2000年代前半からインバーター制御装置のない循環ポンプの新設はほぼ禁止されています。循環ポンプはWILO社とGrundfos社が世界市場を二分して独占している状況です。ドイツで義務となっているインバーター自動制御装置付きの循環ポンプの初期投資額は、制御装置がないものの2~3倍しますが、電力消費量は約1/10で済みます。

 

 

次に地域政策デザインオフィスの田中信一郎氏より「老朽化した公共建築、温浴施設等の行方」について。1970年代にたくさん建てられた公共建築が築50年を迎え、老朽化が問題になっています。水を大量に使用する公共施設としては、学校プール、市民プール、福祉施設、公営浴場・温泉、公営住宅などたくさんありますが、それぞれの施設が縦割り管理で、“水の大量使用施設”という観点で把握&施設管理されていません。同時に管理責任者である校長先生や施設長は、“施設管理のプロ・専門家”でもありません。

 

水を大量に使う施設は、他の施設に比べ建設コストも、ランニングコストも割高になるが、建築ノウハウが縦割りで、同じ自治体内でも知見が共有されていません。また、施設運用費の管理についても、費用の推移から異常ポイント(漏水)などを分析するような把握が定量的に、制度として行われていないのが現状です。稼働状況も、夏だけ、日中だけ、休日だけ、などまちまちです。全小中学校に屋外プールがあるよりも、地域に大きな通年で利用できる高品質な屋内温水市民プールがあり、水泳授業の時だけバスなどで利用しに行く方が子どもや市民が喜ぶのでは?という検討なども行われていません。公営住宅においても、戸別に給湯器を設置するより、集中型の熱供給システムを設置する方がランニングコストも安いはずですが、そのような検討はされません。

 

人口減の今後を踏まえ、公共施設の更新時には、まず何より先に、①集約・統合 ②稼働率の向上 ③建物・配管の断熱化・湿度管理・配管シンプル設計の徹底 ④再エネ・節水設備の活用 ⑤外見はシンプルにしても機能をケチらない を考えることが大切です。2014年には、石油・石炭・天然ガス代として日本は海外に27.6兆円ものお金を支払いました。海外に出ている化石エネルギー費用を、どうやって地域に回し地域経済を豊かにするか。パリ協定もあり、2050年以降はゼロエネルギーの建物が世の中のスタンダードでなければならなくなります。これから設計する公共施設は、最低50年以上使う想定が現実的ですから、2050年にゼロエネで利用されることを見越して建築する必要がありますが、多くの自治体、民間の水を大量に消費する施設では、そのような観点がないまま更新が続いて行きそうで、それでは将来、問題は大きくなるばかりでしょう。

 

 

次に、松尾設計室代表の松尾和也氏より「宿泊施設ですべきこと、出来ること」について。どこの施設運営も、利益率は改善したい、という話があり相談に乗っています。人件費には手を付けても、光熱費の負担には気づいていないか諦めている経営者が多いのが実情です。3年前、関西のある火力発電所に5日ごとに運ばれるLNGタンクを積んだ船を見学しましたが、その積み荷がいくらになるのかと聞くと、たった1隻分でLNGが40億円分だそうです! おおよそ、全国で毎年160隻くらい来ていると推測されていますが、この対価が海外に流れて行っているわけです。

 

私がドイツに行ってよく思うのは、日本人は「火力資源なし × 省エネ観念なし × 全体最適を考えない × 逆算思考しない」というもの。だから、日本人は働けど働けど豊かにならないように思います。でも、風向きは変わり始めていると感じていて、ここ半年くらいで一般の工務店などでも省エネの認知度が高まってきています。温浴施設や宿泊施設において、投資をそれほどしないで、いますぐできる省エネ対策を並べてみると、次のようなものがあるでしょう:

・宿泊施設の最上階や外周部の部屋は使わないか後回しにする

・予約の部屋を密集させることで熱損失を減らす

・冷暖房費が高すぎる時期は少し宿泊費を上げる

・電力やガス会社を最安の会社に変更する

・よく水を使う厨房エリアには節水蛇口にする

・インナーサッシ取り付けや中間層ブラインド(BAC工法)採用

・太陽光発電を設置する

・最上階天井断熱補強

・打ち込み井戸設置、などがあります。費用効果が高い投資項目に関しては、金融機関が融資を推奨するような状況を作ってゆくことも大切です。

 

 

質疑応答の後、最後に、たかやま林業・建設業協同組合の長瀬雅彦氏より「森林の多機能な利用とグリーンインフラの活用」についてお話をいただきました。本業は長瀬土建で土木を生業にしているが、飛騨高山の森林でドイツに学んだ林道づくりも進め、それを「グリーンインフラ」にする活動をしています。森林で大事なことは、今の形をそのまま保つのではなく、後世につながるように変え続けてゆくこと。現在の人工・単層林を、“多様で健全な森林”に誘導することは重要だと考えています。

 

また、木が大きくなり伐期が来て、「再造林したい」「最新のチッパー機など導入し生産性アップしたい」と思っても、機械が入れる林道がなければ何も始まりません。建築現場でのICT化も進んでいます。今はドローンで撮影した山の現場のデータを3次元のデータとして取り込み、設計データを入れたらあとは機械が自動的に掘ってくれるような施工技術も実用化まで来ています。ドイツの森林管理のプロ、フォレスターも、「日本の人工・単層林を樹種構成豊かな恒続林にしていくためには“理想の道”が必要」だと言っています。さらに雨水が側溝に排水される中央が盛り上がった屋根型構造の林道を進めています。排水管を魚が遡上できるよう工夫し設置するなど、自然環境にも負荷を与えず、人・機器にもストレスを与えない、100年使える丈夫な道の作り方についてもノウハウをたくさん構築しつつ、事業を推進しています。

 

寺社建築の第一人者と呼ばれる、奈良の小川三夫棟梁の人材育成の言葉の中に次のようなものがあります:「次の世代の人のために、うそ偽りのあるものを残してはいけない。本物とはいつの世でも変わることなく心を打つものだ。その時々に精いっぱいのことをしておけばいい。」

 

私はドイツに何十回も行っていますが、「ドイツと日本は地形も地質も法律も違うからできない」と言い訳をするのではなく、まず自分で実証してみる、できない理由を探すのではなく、今できることは何があるのか、少しでもポジティブに考えてベストを尽くして、動くことが大事。日本の林道も、欧州のようにみんなが森林と親しむ機能を持つなど、多機能な道となってほしいと思います。

 

 

2019年

12月

26日

10月15日 PJ80セミナーin東京「わたしたちのめざす“持続可能な”未来に向けた『まちづくり』への取組み」を開催しました

10月15日、わたしたちのめざす“持続可能な”未来に向けた「まちづくり」への取組み in 東京 を開催、満席となりました。SDGs(持続可能な開発目標)というキーワードを耳にする機会が増えてきました。

クラブヴォーバンは2008年に設立し、子どもや孫の世代までも豊かに暮らしていけるために、低炭素型の「持続可能なまちづくり」に取り組んでいる専門家たちが集う“場(サロン)“です。第一線で活躍しているメンバーや仲間たちが東京・大阪で一堂に会し、最新の取組みやトピックについて発表しました。

 

 

まず代表理事の早田宏徳から挨拶。311の前から、持続可能な低炭素型の社会にしていきたいという志で、ドイツに学び、ドイツのヴォーバン住宅のようなまちづくりしたいとの想いでクラブヴォーバンをやってきてもう11年。甚大な被害をもたらした台風19号で浸水したエリアは、やはりハザードマップで危険が予測されていたところがほとんど。私は工務店をやっているが、新築の家を建てるお客さんには、ハザードマップをまず見せている。今後、毎年のようにあのような巨大な台風が来るようになるだろう。今日ここで聴いた話を、ここにいる皆さんがどんどんアウトプットして拡げてほしい、とのことでした。

 

CV理事で日本エネルギー機関代表の中谷哲郎氏は「FIT切れ直前2019年問題対策総ざらい&自家消費モデル研究」についてレクチャー。日本で2009年に大々的に始まった固定買取価格48円/kWhで太陽光発電を購入した第一期生約56万件の人たちが、今年10年の固定買取価格期間を終了。

今後の選択肢として以下の紹介でした:

①引き続き余剰電力を買い取ってもらう場合 買取りサービスを始めている大手電力会社や大手ハウスメーカーなど約60社の、サービスや価格などの比較研究発表

②EUでは主流となりつつある自家消費モデル(蓄電池、エコキュート利用)

 

ヨーロッパでは、蓄電池の価格がここ数年で急激に安くなり、太陽光発電を購入する人はほとんど蓄電池とセットで購入しているので蓄電池が品薄状態。EUの蓄電池市場でNo.1シェアのSonnen社は、サービス内容だけでなく、デザインを意識したマーケティングでシェアを伸ばしています。また、暖房設備や給湯設備と一緒に仮想発電所(VPP)のサービスを行うスイスのtiko社のビジネスモデルの紹介もありました。

 

ドイツでは2014年にFITが終了し、いったん太陽光発電の導入数は減少傾向になりましたが、自家消費での導入が増え、2016年からまた右肩上がりで上昇しています。その背景にあるのは、再エネの大量導入や、電力価格の高騰、FIT価格の下落、太陽光システム価格の低下などです。ドイツでは明らかに、電力会社から電力を購入するよりメリットがあるので、自家消費モデルが爆発的に増えています。市庁舎やホテル、スーパーやオフィスなど、大型施設での自家消費モデル導入の事例紹介もありました。

 

※EUでは2021年1月1日以降は、商業建築も含めて、ニアリーゼロエネルギーの建築以外は建ててはいけないことになっています。とりわけ建物内の消費エネルギー量が大きな商業施設などが、こぞって自家消費モデルにシフトしていくのは自明の流れです。(村上)

 

次に地域政策デザインオフィス代表の田中信一郎氏より「公共施設の維持管理と更新の考え方」について。まず公共施設から高断熱・高気密へのシフトを始めることが大事。日本では1970年代に公共施設が最も増加、今築50年を迎え更新が必要な公共建築が急増します。

公共施設の更新を考える場合には以下の点に注意しなければなりません:

①長期にわたる利便性・公共交通の利便性・冗長性・人口減少を考慮した立地

②用途・時間・立地・空間を併存させ、床面積当たりの稼働率を高めること

③(災害が起きにくいエリアに建てることを前提に)建物の寿命を延ばす方法を取り入れること

 

パリ協定では、2050年に公共建築はゼロエネルギーでなくてはいけないので、新築にしても改修にしても、断熱・気密の考えを今から取り入れるべきです。建物のエネルギー性能を高める優先原則は、まずは断熱。次に、気密>日射コントロール>換気>通風>設備>再エネ熱>再エネ電気。この優先順位を間違えないことが大事です。化石燃料に莫大なお金を払い続けていては地域が貧しくなる一方なので、まずはエネルギーを使わない公共建築を建てて、地域の経済を回していきましょう、という話でした。建築費1割増しで新築された、ドイツ・ベルリン近郊のプラスエネルギーの公立小学校の事例も紹介されました。

 

次に建築家の二瓶渉氏からは「群馬県沼田市役所のコンバージョンについて」。古くなった沼田市庁舎を更新するにあたり、衰退した大型商業施設の既存の空き店舗施設を再利用して「減築」して改修整備された事例が共有されました。基本方針は、①規模の適正化(適正な規模に縮小)、②既存ストックを使い魅力ある空間を創出、③まちに開かれた建物、となっており、コストも抑えた形で、地域の木材も使い、改修された評価の高いプロジェクトとのことでした。

 

代表理事の早田は「SDGs未来都市ニセコ町モデル街区における新しい住宅地開発について」紹介しました。昨年クラブヴォーバンがニセコ町から委託を受け構想、コンセプト策定に関わった概要です。ニセコ町は人口が増加している数少ない自治体であるにも関らずCO2を’90年比で86%削減するという野心的な目標を掲げています。ニセコ町では公営住宅が少なく住宅の空きが少ないため、町外から通勤している人が多く、また冬寒く、車社会で、光熱費やガソリンの家計負担も小さくありません。

新規で街区を開発するにあたり、開催した町民ワークショップ・アンケートでは、さまざまな町の課題が見えてきました。「安心して住み続けられるコミュニティ」を掲げたモデル街区の基本方針について説明がありました。

 

社会起業家で(株)至真庵代表の陶山裕司氏より、「複雑巨大で多様な人が関わる“仕組み”(システム)をどう作るか〜システムズ・エンジニアリング入門〜」について。システム・エンジニアリング(SE)は「システムを成功裏に実現するための複数の分野にまたがるアプローチおよび手段」と定義されます。SEについての概要や考え方、適用範囲、背景などについて説明があり、「何をつくるかの前に、なぜ作るのか」「全体を俯瞰的・多角的に設計しながら」「必要に応じ多領域の専門家を巻き込み」「適切な評価を行って、求められている成果物を出すこと」などについて事例を交えながら解説されました。

 

最後に、代表村上から「欧州で加速する気候危機対策を求める動き」について。欧州ではすでに「気候変動」ではなく「気候危機」と報道されるようになっています。IPCC第5次報告では、日本近海の海水温上昇率は、世界平均の0.5℃の2倍を上回る1.08℃であったことなどが報告されました。2014~16年にかけていったんピークアウトしたかに見えた世界のCO2排出量が、2017年にはまた大きく上昇傾向に転じ、これが欧州の若者たちの運動のきっかけに。

 

2018年に国会前でデモを始めたグレタさんから始まった“Fridays For Future”。毎週金曜日に学校をスト&デモを行う動きがSNSを媒体として西ヨーロッパから世界に拡散。2019年3月には世界120万人超の若者が、さらに2019年5月欧州議会選挙前に行われた世界規模の呼びかけには、世界1700都市180万人以上の若者が参加。この動きに刺激され、欧州議会選挙では『緑の党』が大躍進、右派ポピュリズム政党の進展を抑制し、ドイツでは第二党の座につくこととなっています。

 

またドイツではこの動きに刺激を受け「気候保護法」が閣議決定され、年内に成立予定、来年春に施行予定です。エネルギー戦略で明記されていたドイツの2050年までの段階的な削減目標をさらにアグレッシブな目標に更新し、2050年に’90年比CO2削減量を100%にするために、2030年までにはマイナス55%の目標を厳守すると決め、それに向け発電/燃料、産業、交通、建物、農業、廃棄物処理の6つの分野でそれぞれ毎年の排出許可量を明記している厳しい法律です。

同時に、そうした規制、義務化に向けて産業界は着々と動いている、との話でした。

 

2019年

12月

09日

6月18日 PJ80セミナー「ニセコ町における気候温暖化対策計画の策定とその背景」を開催しました

一社クラブヴォーバン(CV)は、2018年度に国より「SDGs 未来都市」に選定された北海道・ニセコ町からの委託で、気候温暖化対策5か年計画である「第2次環境モデル都市アクションプラン」の策定にかかる調査研究業務を昨年度遂行しました。

 

国際スノーリゾートとして世界的に名を知られる、人口約5千人のニセコ町は、観光客数・宿泊数ともに年々急増しており、宿泊・観光関連施設の建設も拡大中で、それに伴って日本の小規模自治体では珍しく人口が増加しています。つまり、 人口・経済のパイが縮小し続ける日本の一般的トレンドとは異なり、温室効果ガス排出量の増加圧力が非常に強いことが欧州北部の国々と似ています。長い冬季期間には毎日新雪・パウダースノーが楽しめる豪雪地域。日射量は国内最低レベル、かつ地形上の理由から風況にも恵まれないにも関わらず、暖房には莫大なエネルギーが必要です。

 

気候温暖化対策を行うには、国内では最悪の前提条件と言えるでしょう。しかしニセコ町は「住民自治」を掲げたまちづくりの過程で、「環境・自然保護対策の充実」と「豊かな町民生活の実現」を両輪で目指すことを宣言し、意欲的なCO2排出量削減の目標を設定しています。(2030年▲44%、50年▲86%)

 

 

 

満席となったこの日のセミナーでは、EU議会やドイツ議会をも大きく動かした若者による運動「Fridays for Future」の紹介や、最新のIPCCの第5次報告書内容、ニセコ町が上記目標を達成するために、クラブヴォーバンが委託を受け、ドイツで使われている演繹的かつ民主的な手法を使い、どのような順序や過程を経て策定し、最終的にどんな提案をしたのかの説明がありました。

 

去年クラブヴォーバンが、ニセコ町の町民とともに一年かけて策定した気候温暖化対策「第2次環境モデル都市アクションプラン(H31~35年度)」は、日本の先進的な自治体の中でも画期的だと思うので、今日聞いたニセコの取り組みの中でこれは使えるコンセプトだというものがあれば、皆さんの活動や地域の中でぜひ取り入れて考えていってほしいと考えています。

(ニセコ町HP: https://www.town.niseko.lg.jp/chosei/kankyo/model/ )

 

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2019年

7月

23日

5月14日 PJ80セミナー特別篇「改めて考える地域とエネルギーの処方箋」を開催しました

今回の講師は、昨年のPJ80セミナーでも大好評だったドイツ・ベルリン在住でクラブヴォーバンPTメンバーの西村健佑氏が帰国し登壇し、満席となりました。西村氏は、欧州エネルギー市場・政策に関するコンサルタントや調査を手がけ、ドイツのVPPやIoT、セクターカップリングなどの欧州の最新のエネルギーの政策やビジネス状況などについて精通しており、今回も会場は満席となりました。

再エネといえば、日本では都市の大企業が地方の森林を大規模に伐採するような乱開発で、地域住民から反対されるようなケースを耳にしますが、再エネ施設が地域住民にとって「迷惑施設」であることはドイツでも同じ。ドイツでは今や全電源に占める再エネの割合が40%を超えるようになってきましたが、どのようにドイツでは、再エネが地域住民に受け入れられるようになってきたのでしょうか?

 

まずは、島根県で太陽光や小水力など自然エネ拡大に取り組んでいる、コミュニティエナジー株式会社の南原順氏より、国内の自然エネの地域課題について。全国でFIT認定数が少ない方の中国地方でも、FIT設備等を含む民間の発電所が増えており、市民にとって家から太陽光発電所が見えるなど、発電所が身近な存在になっています。しかし、震災前は自然エネルギーに対する住民感情が「無関心」であったものが、震災後「“環境によいこと”なら、“原発は不安”だし良いのでは」となったものの、実際に地方の森林の乱開発太陽光発電などが増えたことから、地元住民の感情としては遠方の原子力発電と近隣の自然を壊す自然エネルギーを比較したら、どちらがいいか答えられない、という状態になってしまっています。

 

地元の人は、都会の業者の利益のために、自然破壊や騒音、景観、健康被害、農業への不安を抱えつつ、なぜここでやらなければいけないのか?という思いがあります。しかし、島根西部の3自治体約13万人のエネルギー収支は、電気代だけで数十億円が域外に流出している可能性があるので、エネルギーという観点から、住民が参加できる、受け入れられるプロジェクトで「まちづくり」をしたいと考えている、という話でした。

 

次に西村氏より、「改めて考える、地域とエネルギーの処方箋」と題して、ドイツで再エネが進んできた背景として日本とどのような違いがあるのか説明がありました。第一に、FIT法は日本とドイツで内容が全く違う、ということが挙げられます。ドイツでは「優先接続・全量買取」であること(再エネ電力を他の電源より最優先)、「給電開始時価格」で取引されること(申請時ではなく、実際に給電を開始したときの価格で売買)、「規模・種別の買取価格」が設定されていること(市民の反対感情や問題が起きにくい場所に設置されるよう誘導するため)などがあります。

 

第二に、ドイツでは厳しい土地利用規制や、決定に際しての市民参加のしくみがあることです。ドイツでも再エネは迷惑施設なので、原則として「建てない・建てさせない」だったが、2000年に「再エネ法」ができ、当初は野立ての太陽光は禁止、そののち規制が緩められ、20MWまではOKになりましたが、日本のように100MWといった巨大な太陽光設備が野立てで建てられることはありません。ドイツの都市計画法はかなり厳格で、住宅地と接続のない農地や森林の開発はしてはならず、再エネ施設を作る場合には、そこの議会の過半数の可決を取らなくてはいけません。そのため、建設前に住民説明会が必ず数回開催され、小さな町でもかなりの住民が参加します。これが日本との大きな違いです。そのため、森林伐採によるメガソーラーの開発は、ドイツではあり得ません。

 

第三に、ドイツの再エネの主な担い手は一般市民であること、があります。ドイツでは、再エネ100GWのうち約31%が一般市民、農家が10%、地元企業が13%出資で約半分。残りがシュタットベルケや銀行、大手電力会社などです。ドイツの市民出資の協同組合は全国に850以上(18万人)あり、シュタットベルケ(都市公社)と一緒になり発電施設を作るケースが多いです。組合員の人数はほぼ世帯数と同等ですから、ドイツのかなりの市民が再エネに出資し、再エネ発電による収益が還元されて地域が潤っている現状があります。

 

第四に「ミディエーション」と言って、「侵害規制」という制度があり、例えば太陽光発電で自然を壊したら、その分と同じだけの面積の森林を他の場所で埋め合わせるなど、代償地を用意する義務を負います。また野立ての太陽光発電に関しては、地面をコンクリートや防草シートで被うことは禁止され、草地のままです。また、再エネ発電所を使った、地元の子どもたちへの再エネ啓蒙活動なども活発です。

 

今後の課題としては、20年経過したら太陽光パネルを全て廃棄する、ではなく、まだ使えるパネルについては、発電効率が悪くなっても多少は利益が出るようなビジネスモデルを作って使い続けることが大事とのことでした。

 

そして国内の太陽光パネルの廃棄問題について、ISEPの山下紀明氏より補足がありました。現在、経産省のエネルギー庁の総合エネルギー調査会の中の太陽光発電の廃棄等費用に関するWGに所属。FIT価格は廃棄費用まで含めた金額だったが、太陽光発電の事業者が利益を上げるだけ上げて、しかるべき廃棄の責任を放棄して逃げる、という懸念があるため、それを防ぐ制度を検討している最中だとのことでした。

 

ワーキンググループについての詳細は以下からどうぞ:

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/taiyoko_haikihiyo_wg/001.html

 

◉2017年

2017年

9月

21日

PJ80セミナー東京/関西「ドイツにおけるワーク・ライフ・バランス~ 仕組みが充実した生活を ”日常” にする ~」を開催しました

最近、「働き方改革」が日本で話題になっています。「過労死・過労自殺」「ブラック企業」「職場うつ」など、日本では世界的に見ても、長時間労働や厳しい労働環境が問題になっています。

今年度のPJ80セミナーは、8月23・24日に関西と東京で開催。クラブヴォーバンのプロジェクトメンバーの、ドイツ在住で環境建築や環境都市計画コンサルの仕事と子育てを両立しながら毎日充実した暮らしを送っている“イクメン”の二人から「ワーク・ライフ・バランス」をテーマとしたレクチャーでした。  

日本とドイツ両方の建築事務所で働いた経験のある、建築家の金田真聡からは「日独の現場からみるワーク・ライフ・バランスの違い」について。ドイツの「人に頼らないしくみ作り」を評価し、日本の長時間労働の問題点を「個人の能力のせいにしたくない」と訴えました。ドイツでは、Health(睡眠)・Life(家庭)・Work(仕事)が一日のうちそれぞれ8時間ずつのバランスで、WorkよりLifeの方が大事、という感覚が一般的だそうです。

日本では、「働き方改革」と言いながら、長時間労働がよしとされる「カルチャー」や「社会システム」の議論で終わりがちですが、「ビジネスモデル」の話にまで議論が及びません。ドイツのオフィスが、築年数の経った古いオフィスビルでも、内部は洗練されたお洒落な空間で美しく整理されており、社員同士のコミュニケーションが弾む場も提供されているとのこと。また、仕事の電子データの徹底したフォーマット化・階層化・体系化による管理により、社員が誰でも、長期休暇を取りやすい職場体制が取られているとのこと。そのために、専任のパトロールのような情報管理の職員も配属されています。また、部下が1日8時間以上の仕事をしなければならない状況は、本人のせいではなく上司のマネジメントがまずい、ということになります。

またドイツでは、個人の仕事の役割と責任の範囲が明確なので、残業をせず時間内にパフォーマンスを上げてアウトプットを出す必要があるとのこと。なので、ドイツでは「自己責任社会」だが、日本では役割も責任の範囲もあいまいなまま長時間労働拘束される「自己犠牲社会」だと思う、とのこと。「ワーク・ライフ・バランスは、時短や22時共生消灯など働き方の問題ではなく、経営の問題。」ドイツのような経営スタイルにシフトしていくことで、日本の働く人たちも、長時間労働から解放されていくのではないか、とのことでした。

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◉2016年

2016年

11月

29日

PJ80セミナー第5回東京「ドイツのエネルギーシフト、再エネ推進の第二段階とは?」を開催しました

10月の今年度最後となるPJ80セミナーは、「ドイツのエネルギーシフト、再エネ推進の第二段階とは?」と題して、18日(火)に関西、19日(水)に東京で開催しました(関西開催のまとめは割愛します)。両日ともに盛況で、とりわけ東京会場では座席不足となり、途中から予約申し込みをお断りすることになり、希望されたのに受講が叶わなかった方には申し訳なかったです。

さて、内容ですが、

村上より、ドイツのエネルギーシフトにおいての再エネ100%シナリオ、ドイツのエネルギー政策や電力市場の最新動向の講義がありました。ドイツで再エネが普及した最大の要因は、国が2050年までに国内のエネルギー供給のほとんどを再エネにすることを「決めた」こと、地域の人々が地域の発電のために投資をしてきたこと、だそうです。ドイツの再エネの2/3の出資は地域型・分散型であり、一極集中の大手資本は少数派。ただし日本では、東京に資本家が集中しており、地域住民と投資家の温度差から、再エネ開発のプロジェクトで地域の住民とトラブルになるケースが散見されるようになってしまいました。このような形では再エネ普及の未来はないでしょう。

ドイツでは、2015年に総消費電力に占める再エネ発電の割合が32%を超え、FITと呼ばれる固定買取価格制度は終了し、発電事業者が自分で販売・価格付けを行うFIPに改正されており、来年にはFIP+入札という制度に替わります。電力市場もより柔軟に発展していて、IoTなど新技術が導入され、これまでにない新しい電力事業を行うベンチャーがたくさん出てきています。

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2016年

8月

09日

PJ80セミナー東京第3回 「日独の省エネ建築最前線 ~建物の省エネ改修の次は街の再生~」を開催しました!

7月21日の東京第三回目PJ80セミナーのテーマは「日独の省エネ建築最前線 ~建物の省エネ改修の次は街の再生~」。

 

日本ではまだまだ、住宅供給は新築が主体で、改修、それも省エネ改修の市場は、ほぼありません。一方、日本の既存の住宅の90%以上は、現行の省エネ基準に満たないと言われています新築住宅の省エネ化が進む中、次の日本の巨大なマーケットとして注目を集めているのが、既存住宅の省エネ改修。しかし、高い技術力と施工力が必要です。

 

株式会社低燃費住宅の代表を務める石川義和氏からは、香川で現在施工中の、150坪もある築37年のRC中古住宅の省エネ改修の事例の詳細説明がありました。四国とはいえ、真冬には外気温が氷点下になる日が月に5日もあり、断熱がなされていない住宅は、時には外気温より室温の方が低いことがあるとのこと。温度差が激しい住宅は、健康にも住宅にもよくありません。石川氏からは、ここ数年で小中学校の耐震改築や新築が盛んに行われたのにも関わらず、窓ガラスはいまだにシングルガラスで夏熱く冬寒いため、たくさんエアコンが導入されているが、光熱費がものすごくかかるので、使えるのは7、8月(夏休みで子どもがいない)だけ、という問題提起がありました。

 

これからの未来を担うこどもたちのための改修になっていません。これはきっと、香川のその小学校だけではないでしょう。今石川氏が行っている改修は、今後、小中学校での全国的な省エネ改修市場を見込んでの実績づくりとのことです。

次に、ベルリン在住の環境エネルギー政策専門家の西村健佑氏より、団地まるごとの省エネ改修によるまちの再生が行われている事例の紹介。省エネ改修先進国のドイツでは、建物そのものの省エネ改修はもちろんのこと、街自体を持続可能にしていこうという一歩進んだ取り組みが世界から注目を集めています。

 

ドイツ・ポツダム市郊外にある38haの巨大団地「ガーデンシティー・ドレーヴィッツ」は、社会的弱者が集まる「雰囲気の悪い団地」だったのに、今、見事に蘇りつつあります。改修前は子どもが生まれると若い世帯は団地外に引っ越す人が多かったですが、貧困層の団地の公共スペースや小学校などが、緑豊かに美しいデザインに改修されることで、子どもたちの遊び場もでき、若い世帯の定着率が高まり、家賃も1.5倍に上がり(貧困で値上がり分の家賃を支払えない人に対する配慮あり)、住民たちがそこに住むことに誇りを持ち、「アイデンティティー」を取り戻しつつあるとのことです。

 

その後、ゲストのベルリン在住の建築士金田真聡氏も交えて、日本におけるこれからの改修のビジネスの可能性について議論がありました。日本でも今後、お金のために建築をするのか、それとも未来の若い人たちのために建築をするのか?という根源的な問いかけもありました。

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2016年

7月

29日

PJ80セミナー関西第2回 「少子高齢化・人口減少社会が到来!これから求められる『街』の在りようとは?!」を開催しました!

 

大盛況だった1回目に続き、クラブヴォーバン初の関西セミナーの第二段が7月13日に行われました。

1回目ではどのような建築を造るかがテーマでしたが、今回は視点を広げて「街」をどう残すかがテーマ。

トップバッターは不動産コンサルタントの長嶋修氏より、人口減少を目前に街の価値が急落していく対策として、欧米でのインスペクション活用による家屋の正当な評価制度のレクチャーから始まり、地方ではすでに始まっている残す街と残さない街の線引きについて話がありました。都市部においても災害が多発していくなかで、災害区画の線引きが必要との話もあり、都市としての新たな対応が求められています。

続いてはヨーロッパのリノベーション事例を、CV理事の日本エネルギーパス協会代表の今泉と日本エネルギー機関の中谷より発表しました。断熱改修をするだけで、家賃が2倍に値上がりし、リノベーション大賞を受賞した賃貸マンションの事例から、日本でいうところのニュータウンを大規模改修を行った事例も発表されました。そこにもドイツの都市計画の哲学があり、「Citizen Pride」がテーマでの改修。

つまり、市民のプライドを取り戻すがテーマ。建物から改修するのではなく、団地内の駐車場を公園に変え、小学校を改修し、交響楽団が練習にくる最新式の音楽室を整備。これにより、その街に住むことに誇りを持てる。とても素晴らしい取り組みです。

最後はクラブヴォーバン代表理事で低燃費住宅代表の早田から、新たな挑戦として低燃費賃貸アパートの事例を発表。

すべての人が戸建てを取得できるわけではないので、ドイツの事例のように賃貸住宅の低燃費化が都市部においても重要課題。来年からは戸建て住宅をよりハイレベルにしながら、高性能賃貸の普及に努めるとのこと。

意見交流会を行いましたが、熊本地震を受けての耐震性の問題など多岐にわたり、意見がでました。省エネ化は耐震性の土台があってこそなので、日本の建築に求められるものはたくさんあります。

2016年

7月

29日

PJ80セミナー関西第1回「ドイツのエネルギーシフトから考える日本の省エネ住宅の展望」を開催しました!

関西初となるPJ80セミナー第1回目のテーマは、5月26日「ドイツのエネルギーシフトから考える日本の省エネ住宅の展望?!」。クラブヴォーバン代表の村上敦のほか、ゲスト講師に住宅専門誌「新建ハウジング」発行人・新建新聞社社長の三浦祐成氏と、日経アーキテクチュアで省エネ住宅関連情報を連載中の、松尾設計室の松尾和也氏をお招きし、ドイツやヨーロッパの先進例から見る、日本の住宅や住宅産業の問題点や課題についての講演とパネルディスカッションでした。

まずは代表の村上より、ドイツの再エネと省エネの最新情報。日本の再エネ推進は、市民ではなく地域外の大手企業が主導し、住民の合意を得ず森林を乱開発したりして、住民の心象を悪くしている例が多くありますが、ドイツでは森林の用途を変えるときには議会の承認を得なければならないので、そのようなトラブルは起こりません。また、ドイツの数多くの自治体では、省エネに最初に取り組み、そして次のステップで再エネの普及と平行して地域熱供給の事業を実施しているとのこと。そしてEUでは、政令によりニアリーゼロエネルギー(=超低エネ建築)建築様式(※)への移行が進められています。

※ニアリーゼロエネルギー建築様式:暖房・給湯・冷房・換気・照明におけるエネルギー消費量を究極的に減少させ、それと同時に建物内における再生可能エネルギー相当で賄うこと

次に松尾さんより、日本の住宅と住宅業界の問題点。日本の住宅は、耐震基準はできたものの、耐久性の基準や断熱の基準もなく、30年経てば資産としての価値はゼロ。欧州では、改築し続けることで住宅としての資産価値は下がりません。日本の大学で建築を学んでも、耐震・温熱・内部結露など総合的な観点で見てまともな40坪の普通の戸建住宅を建てられる建築家を育てられる大学は、ほぼないと、教育の問題点も指摘されました。西側に大きな窓を作らないといった基本的なことすらも、知らない設計士が多いのが現状とのことです。

次に、三浦さんより2020年の住宅予測。今後、所得格差が進み、日本経済が低迷し、新築戸建住宅でなくていい、という若者が増え、中古住宅の供給が2020年あたりで新築戸数を抜くのではないか、とのこと。医療・教育・自然などの人が人間らしく生きるための社会共通資本については、資本主義・市場競争にまかせすぎると全体最適ができなくなります。住宅は個人資産、という考え方もあるが、景観なども含め住宅も共通資本でもあると思うとのこと。今後国としてZEHを進めていくので、フォーム市場が増えるが、大手メーカーさんと差別化できるいい住宅を作り改築し、正しく高く売ることで、地域経済を活性化することともつながっていきます。CSV経営、つまり三方よし(売り手・買い手・世間)の経営をし、本業を通して地域に貢献していきましょう、という話でした。

最後に3人とクラブヴォーバン代表理事の早田によるパネルディスカッション。ようやく国によってBELS(第三者機関による建築物省エネルギー表示制度)がスタートしましたが、5段階評価の一番厳しい基準が、断熱性能を表すUA値0.6で適合とされてしまうこと(小さいほど性能がよく、欧州基準では0.28)、UA値が表示されないこと、など問題点があげられました。車がリッターあたり何キロ走る、冷蔵庫1時間あたり何w電力が必要、などの表示のように、住宅も性能で選ぶ人のために、5段階評価ではなく数値を表示することが望まれます。また、少子高齢化と所得格差により新築を購入する人が今後減っていくことが予想されるので、将来は断熱に優れた集合住宅の需要が増えていくだろう、とのことでした。

今回の関西初のセミナーでは、多種多様な業種の西日本のさまざまな府県の方にたくさんお集まりいいただき、大盛況でした。今後も「持続可能なまちづくり」に関心のある方々が業種を超えて繋がれる機会を、クラブヴォーバンとして企画していきたいと思っています。

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2016年

7月

19日

PJ80セミナー東京第2回「欧米の自転車先進事例について、日本の自転車政策の行方は?!」を開催しました!

昨年度のPJセミナー、「まち・チャリ-ドイツに学ぶまちづくり~自転車の活かし方-」「デンマーク・コペンハーゲンの自転車政策と交通事情」に続き、6月16日に自転車セミナー第3弾を開催しました。

・欧州での自転車交通の先進事例のおさらいや事例(CV代表理事・早田、CV理事・市瀬)
・1999年公開の映画「メッセンジャー」のモデルとなった、創業28年になる株式会社ティーサーブ社長
池谷貴行氏から見た、日本の都市部の自転車交通事情と課題
・日本の自転車交通政策の行方について、講師と参加者が対談

という内容でした。池谷さんの会社には100名を優に超える「メッセンジャー(自転車で配達業務をされる方)」という方が業務にあたっていますが、なんと一人あたり毎日100~130㎞も首都圏を自転車走っているそうです。池谷さんのお話や自転車を日常使っている参加者から出てきた課題は、日本では自転車は危険でとても走りにくい!ということ。それに比べ、ドイツやデンマークなどの自転車先進国では、自転車政策を推進することでこんなにいいことがたくさんある、という話が紹介されました。

日本の抱える課題としては、自転車専用道や駐輪場の整備、自転車安全対策、自転車が優先される交通ルールやシステムの変更や教育、自転車を仕事で使う人のための医療保険、などがあげられました。

自転車に定期的に乗る人が増えることで、自動車に比べ、効率がよく合理的・安い・健康にいい・医療費が下がる・地域外にお金が出て行かず地元にお金が回る・誰でも乗れる・空気が汚れない・自転車ツーリズムなど新しいビジネスチャンスの可能性、など自転車の可能性は大きいです。

クラブヴォーバンとしては、今後も自転車推進・健康推進PT(プロジェクトチーム)としてこの問題を普及啓発していきたいと考えています。

※クラブヴォーバン会員の皆様には、さらに詳しい内容の報告を配信しております。また法人会員様には、セミナーの録画を配信しております。

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2016年

6月

29日

PJ80セミナー東京第1回「ドイツの都市計画法と線引きについて」を開催しました!

今年度「PJ80セミナー」としてパワーアップした連続セミナー、東京の第1回目は、クラブヴォーバン代表でドイツ・フライブルク在住のジャーナリスト・コンサルタントの村上敦からのレクチャーでした。

みっちり3時間、「ドイツの都市計画法と線引きについて」と題して、

  • ドイツの国や自治体の制度と都市計画、FプランとBプラン
  • 都市計画の進め方や資金調達方法、日独の違い
  • フライブルク市と日本の都市の航空写真比較にみる街づくりの違い
  • ドイツの多くのまちで、まちの中心部が活性化された状態が、今後50年後も、100年後も同じように「まちの寿命が続いてゆく」理由と、日本ではそれが叶わない理由
  • 日本でのコンパクトシティ、線引きについて

についてのレクチャーと会場からの質疑応答、ディスカッションを行い、終了後には会場で懇親会を開催しました。

クラブヴォーバンでは、学生・企業の社長や社員・団体職員・NPO職員など、様々な立場の人々が集い、新たな学びと交流が生まれています。

少子・高齢化で空き家増加や行政コストの負担増など、今後の日本では問題が山積みです。ドイツの都市計画における経験、事例に学びながら、「持続可能なまちづくり」のためにこれからの日本に何が本当に必要なのか、私たちに何ができるのか。引き続き学び、行動したいとの意見もありました。

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◉2015年

2015年

12月

22日

PJ25特別セミナー「デンマーク・コペンハーゲンの自転車政策と交通事情」を開催しました!

自転車セミナー第2弾!として、PJ25特別セミナー「デンマーク・コペンハーゲンの自転車政策と交通事情」を12月18日に開催しました。PJ25セミナーはこれまで会員限定で公開しておりましたが、クラブヴォーバンの理念をより広く、より多くの多様な方々に知っていただきたいとの思いから、今回は一般公開としました。おかげさまでたくさんの一般の方々にもご参加いただき、満員御礼の盛会となりました。

前半は、デンマーク・ロラン島在住のジャーナリスト、ニールセン 北村 朋子さんより、デンマークの最大都市、コペンハーゲンの市民が主体となって、行政を動かし、自転車を通勤・通学に快適に使えるようになってきた経緯を、豊富な写真資料とともにお話し頂きました。

昔は自動車だらけで人々が道路の隅に追いやられていた道が、カフェで休む人や歩く人々であふれ、活気に満ちた道に変化した様子がよくわかりました。

コペンハーゲン市内に住んでいて自転車で通勤通学している人は6割に上るそうです。片道20kmくらいまでは自転車通勤圏内。国全体では約4割。自転車を利用する市民アンケートを行ったところ、「環境にいいから」という理由はたった7%、約半数の人々は「一番早いから」「一番簡単だから」、25%の人々は「安いから」という結果だったとのこと。

自動車より自転車の方が、税金上でも交通規制上でも優遇されているため、「早くて安いから」自転車を使う、という人が多いのです。公共の電車やタクシーでも、自転車を乗せて利用することができます。

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2015年

11月

20日

デンマークの自転車事情とは?PJ25特別セミナーを開催します!

12月18日にPJ25特別セミナーの開催が決定しました!
ご好評につき自転車セミナー第2弾!
テーマは「デンマーク・コペンハーゲンの自転車政策と交通事情」です。

市民の40%が通勤・通学に自転車を利用しているという自転車のまち・コペンハーゲンをはじめとして、自転車交通が進んでいるデンマーク。
ですが、かつては自動車社会で、現在の日本と同様に町が郊外にスプロール化している状況でした。

そこからどうやって自転車交通を推進してきたのか?
自転車が走りやすいインフラ整備やユニークな交通の仕組みとは?
今回のセミナーでは幸福の国・デンマークの自転車政策と持続可能なまちづくりについてレクチャーし、
日本の自転車交通とまちづくりについて議論していきます。

講師にはデンマーク・ロラン島で活躍されているジャーナリストのニールセン 北村 朋子さんをお招きします。

健康・環境・渋滞防止・商店街の活性化などなど、生活面でも経済面でも、また、個人としても地域としても一石何鳥ものメリットをもたらしてくれる自転車交通。
貴重な情報&自転車のある暮らしへのワクワクが詰まったセミナーですので、ぜひご参加くださいませ!

【追加情報!】
 セミナー後半には松尾和也さんが登場!
 省エネ建築のほか政治・社会やデンマークについても幅広く情報発信を行っている松尾さんと
 ニールセン北村さんがデンマークの教育、社会福祉、ライフスタイル、住宅事情など社会全般について 
 対談する予定です。

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2015年

10月

23日

2015年 第6回 PJ25の概要

第6回PJ25は日独の省エネ建築&エネルギー自立をテーマに開催。
日本の省エネ建築・改修は(株)低燃費住宅の石川代表と開発・技術監督&CV理事の小林が実際に手掛けた省エネ住宅の事例等をご紹介。温度・湿度・光熱費などの各種データやお客様の声から、日本トップクラスの省エネ住宅の実態が明らかになりました。
また、ドイツ・ベルリンから建築家の金田真聡さん、環境政策研究者の西村健佑さんが来日し、ドイツの省エネ建築最新事情&ドイツで唯一のエネルギー自立自治体・フェルトハイムについて紹介していただきました。

 <第6回>
  テーマ:日独の省エネ建築最新事例&ドイツのエネルギー自立自治体
  日 時:10月14日(水)14:00~17:00
  場 所:新橋CVサロン
  登壇者:石川義和(低燃費住宅代表)
      小林直昌(CV理事)
      金田真聡(在ベルリン建築家)
      西村健佑(在ベルリン環境政策研究者)
  内 容:高松プラスエネルギーハウスのエネルギー計測結果&生活体験、鉄筋コンクリート造の断熱
      改修計画、ドイツ省エネ建築最新事情、フェルトハイムの取組などについてレクチャー&
      議論しました。

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2015年

9月

24日

2015年 第5回 PJ25の概要

第5回PJ25はさくら事務所代表の大西倫加さんと不動産コンサルタントの長嶋修さんを迎えて開催。
住宅のコンディションを把握するホームインスペクションは中古住宅の正当な評価や流通の活性化に欠かせないもので、新築過多・空き家増加・資産価値下落など、日本の不動産をめぐる課題の解決策として非常に有効です。今回は日本のホームインスペクションの草分けであるさくら事務所のお二人を中心に、参加者とともに住宅の評価について幅広く議論しました。

 <第5回>
  テーマ:ホームインスペクションとエネルギー性能
  日 時:9月17日(木)14:00~17:00
  場 所:新橋CVサロン
  登壇者:大西倫加(さくら事務所代表)
      長嶋修(不動産コンサルタント)
      早田宏徳(CV代表理事)
  内 容:国内外の不動産市場、政策動向、ホームインスペクションの基本から海外事例、そして今後
                  の展開として検討中の”住宅のエネルギー性能の簡易診断”など、住宅の評価に関する様々な
      議論をしました。

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2015年

8月

06日

2015年 第4回 PJ25の概要

今回はクラブヴォーバン事務局長でCFPの近藤が講師を担当。
FPと持続可能なまちづくりの両面を追及してきた立場から省エネ性・耐久性のある住まいやコンパクトなまちづくりの経済的価値を検証するとともに、将来のお客様のライフスタイルや地域をとりまく環境の変化までふまえて提案するFPの進化形についてレクチャーしました。

<第4回>
 テーマ:ファイナンシャルプラン2.0構想~FPの便利な使い方の発展形
 日 時:7月16日(木)14:00~17:00
 場 所:新橋CVサロン
 司会・講師:近藤智(CFP・CV事務局長)、早田宏徳(CV代表理事)
 内 容:住宅ローン~維持管理費、光熱費、健康コスト、そして地域や社会全体のコストまで住まいの
     経済的価値を測る新たな指標のアイデアを発表し、参加者の皆さんとともに住まいの生涯経済
               的価値の考え方について議論しました。

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2015年

7月

23日

PJ25特別セミナーを開催します!

クラブヴォーバンでは新たに交通分野のプロジェクトをスタートします!
その第1弾として、ドイツの交通・都市計画の専門家 エルファディング・ズザンネさんをお迎えして2015年8月3日(月)に特別セミナーを開催します。

テーマは近距離の移動や運搬に便利で、手軽な運動にもなる自転車。

健康、環境、省エネなど様々な面でメリットがあるといわれていますが、自転車交通 の先進国・ドイツでは何が起きているのでしょうか?
気になるドイツの自転車事情について、エルファディンクさんにレクチャーしていただきます!

自転車交通の未来が見えるセミナーです(^0^)

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2015年

6月

19日

2015年 第3回 PJ25の概要

今回は長野県環境エネルギー課企画幹の田中信一郎さんを迎えて開催。
長野県では戸建住宅も含め建物のエネルギー性能の検討義務化がスタートしており、地域全体にエネルギーパスなどの住宅性能評価ツールが広がっています。
その仕掛け人である田中企画幹と理事今泉を中心に、地域から流出するエネルギーをビジネスに変える取組のあり方や地域でその取組を広げる方法等について議論しました。

<第3回>
 テーマ:エネルギーパスによる建物のエネルギー性能表示の義務化について
 日 時:6月18日(木)14:00~17:00
 場 所:新橋CVサロン
 登壇者:田中信一郎(長野県環境部環境エネルギー課企画幹)
     今泉太爾(CV理事/日本エネルギーパス協会代表理事)
 内 容:長野県の取組を例に、行政と連携することでビジネスの可能性を広げ、企業や地域全体の経済 
     を豊かにする考え方や方法などを議論しました。

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2015年

6月

01日

2015年 第2回 PJ25の概要

2015年第2回PJ25はドイツと日本国内から3名の再エネスペシャリストを迎えて開催。
ドイツ・再生可能エネルギーエージェンシー(AEE)に勤務する梶村良太郎さんからはドイツの再エネ最新情報&AEEによる再エネ100%の電力供給シナリオを、CV理事の柴田とCVチーフスタッフの桑島からは日本における再エネの取組を紹介し、参加者とともに議論しました。

<第2回>
 テーマ:ドイツの再生可能エネルギーの推進とエネルギーシフトの全貌、日本の再エネの今後は!?
 日 時:2015年5月25日(月)15:00~18:00
 場 所:新橋CVサロン
 登壇者:梶村良太郎(ドイツ・再生可能エネルギーエージェンシー勤務)
     柴田政明(CV理事・株式会社エイワット)
     桑島隼也(CVチーフスタッフ)
     村上敦(CV代表)
 内 容:ドイツにおける再エネの最新情報、再エネが100%になった時のドイツの姿、
     日本での地域発エネルギーシフトの取り組みなど再エネに関する様々な議論をしました。  

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2015年

4月

24日

2015年 第1回PJ25の概要

2015年のPJ25 第1回はベルリンの建築事務所に勤務する金田真聡さんをスペシャルゲスト講師に迎えて開催。
省エネ建築の最新事情・都市計画を中心としたレクチャーの中に、仕事や生活全般におけるドイツ人的価値観や物事の捉え方がたくさん散りばめられ、表面的ではないドイツのディープな部分が垣間見えるひと時となりました。

<第1回>
テーマ:ドイツの省エネルギー建築と、日独の省エネ改修の今後は?!
日 時:2015年4月9日(水)14:00~17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:金田真聡(ベルリン・Michel建築事務所勤務)
    CV代表理事 早田宏徳
    CV理事 中谷哲郎
内 容:ドイツの省エネ建築最新事情、都市計画から仕事も暮らしも豊かなものにするドイツ人的考え方
    について解説、参加者と議論しました。

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2015年

4月

23日

2015年度のPJ25がスタートしました!

CV会員の皆さま、こんにちは。
今年のPJ25(プロジェクト25%・CO2マイナス)は例年より早めの4月にスタートしました。
新たなスペシャルゲスト・講師が続々登場し、省エネ建築・再エネ・FP・ホームインスペクション
などなど、様々な分野の最新情報をお届けします。
質問・議論、大歓迎です。一緒に盛り上げていきましょう!

各会の詳細はプログラムをご覧くださいませ。

2015年_PJ25プログラム.pdf
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◉2014年

2014年

11月

27日

2014年後半のPJ25振返り&まとめ

2014年のPJ25は、7月から毎月勉強会を開催し、11月26日に閉会しました。
全5回にわたって様々なテーマを勉強しましたが、いかがでしたでしょうか。

私たちは、ここで勉強したことが何か1つでも皆さまの実践につながることを願っております。
一度の実践で得られるものは座学の何倍も大きいものです。
たとえ実践した結果が期待していたものと違っても、それが経験値となり、やがてノウハウにつながっていきます。
得られた経験値は自分だけのものにとどめず、共有してみんなの経験値にできれば、どんどん広がっていきます。
クラブヴォーバンがその共有の場の1つになれれば幸いです。

今後こんなことをやってみたい、来年のPJではこんなことを勉強したい、というご意見やご要望があればお知らせくださいませ。
これからもPJ25、そしてクラブヴォーバンをよろしくお願いいたします。

【後半振返り】

<第4回>
テーマ:地域に活性化をもたらす再生可能エネルギーのプロジェクトとは?
日 時:2014年10月29日(水)14:00〜17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:CVコアメンバー 桑島隼也(株式会社 For Chile)
    CV代表理事 早田宏徳
内 容:ドイツのエネルギー政策・再エネ情勢から見た日本の現状と課題を解説。ドイツ視察で得られた    現地の最新情報やSolar Complex社の紹介も交え、再エネはどうあるべきか等を議論しました。

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2014年

10月

01日

2014年後半のPJ25は!?

2014年の前半を振り返った後は、後半 第4回・第5回の予告です。
会員の皆さまには別途メールにてお申込みのご案内をいたします。お楽しみに!
※PJ25は会員向けのセミナーです。

<第4回予告>
テーマ:絶対地域主義!地域エネルギーについての事例報告と構想
    地域に利益と活性化をもたらす再生可能エネルギーのプロジェクトとは?
日 時:2014年10月29日(水)14:00〜17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:CV代表理事 早田宏徳
    CVコアメンバー 桑島隼也


<第5回予告>
テーマ:これからの成長マーケット「省エネリノベーション」成功事例発表
    中古住宅流通市場で成功するカギ「省エネ改修」の実例を交えて紹介します。
日 時:2014年11月26日(水)14:00〜17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:CV理事 今泉太爾
    CVコアメンバー 小林直昌
    CV監事 吉田登志幸
    CVコアメンバー 岩本創

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2014年

10月

01日

2014年前半のPJ25(第1回〜第3回 +番外編) 振返り

2014年のPJ25は7月の第1回からスタートし、大盛況のうちに前半を終えました。
ここからさらに後半を盛り上げていきたいと思います!
が、その前にまずは前半の振返りです。

<第1回>
テーマ:ドイツレベルの本物のプラスエネルギー住宅
日 時:2014年7月16日(水)14:00〜17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:CV代表理事 早田宏徳
内 容:日本のある場所で、ドイツレベルの高性能住宅が誕生!?
    マル秘プロジェクトについて議論しました。

<第2回>
テーマ:アメリカvsドイツ 中古流通市場比較にみるこれからの日本マーケット
日 時:2014年8月27日(水)14:00〜17:00
場 所:新橋CVサロン
登壇者:CVコアメンバー 長嶋修(不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所会長)
    CVコアメンバー 大西倫加(株式会社さくら事務所社長)
    CV理事・顧問  中谷哲郎
内 容:ドイツなど海外の最新住宅事情を交えながら、これからの住宅業界が目指す方向性などについて解説・議論しました。

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◉2013年

2013年

12月

10日

2013年もPJ25は大盛況で閉会しました

 クラブ・ヴォーバンは、『CO2排出量を90年比で2020年までに25%削減』という、おそらく近年の国際政治的な枠組みの中において、日本からの発信で、唯一高い評価を得た内容を追求しようと、毎年、複数回にわたる勉強会を開催しています。その名も、『プロジェクト25=PJ25』。

 2013年も全4回(第一回目のみ西日本でも同様の内容で重複開催)の勉強会をいたしました。毎回、30~50名の志高き会員さまが熱心に議論に参加している様子を見ると嬉しくなります。

 今回2013年のテーマは以下の通りでした(写真は第二回開催、講師はドイツの屋根マイスター岩本さん):

・第1回 7/23(東京)、7/24(高松):FITがはじまった。次の一手は?
『中小企業や個人でできること。産業用・中型PVの設置について』
FITの説明・意義について。FITの2013年度の変更点について。CV共同購入の可能性と新しい展開について。

・第2回 8/21:建物の省エネ改修について
『エネルギーパスを駆使した省エネ改修の提案と省エネ改修時における留意点について』
エネルギーパスをツールとして利用した集合住宅の改修の提案について。省エネ改修を実施する際に、施工で留意する点をドイツでの事例を紐解きながら説明。

・第3回 9/11:エネルギーパスをツールとして、健康にまで提案を踏み込む
『フルバージョンアップしたエネルギーパス計算ツールとその出力結果を、営業時に活用する』
新しくなったエネルギーパスの説明と、温熱環境の改善が与える健康への好影響について。提案できる可能性について。

・第4回 10/9:エネルギーパスの活用好事例集
『エネルギーパスを活用した改修や新築の好事例について』
エネルギーパスと省エネ改修、リフォーム建材の関係や事例について。エネルギーパスを活用した事例について。

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2013年

7月

10日

2013年もPJ25は元気に開催します!

CV会員のみなさま、こんにちは。

 日本は猛暑で大変なようですが、お元気でお過ごしでしょうか?

 さて、今年もCV恒例の連続勉強会、PJ25(プロジェクト25%・CO2マイナス)は7月下旬を皮切りに実施します。

 まずは、FITの今後を含めたPVについて。昨年のPJ25から取り組みをはじめたCVでも、いろんな仕掛けが実現できるようになってきましたので、その報告と議論、質問会を行います。

 各勉強会については、チラシをご覧くださいませ!

 

2013年PJ25チラシ
20130723 CV PJ25 プログラム.pdf
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◉2012年

2012年

9月

21日

2012年のPJ25も佳境に入ってきました!

一回目から順調に進んだPJ25、第三回目も満員御礼で熱い勉強会が進められています。

 

後半戦となった10月18日のPJ25の第4回目では、以下のような内容をお送りします。会員の皆さま、ドシドシご応募くださいね。

 

『リフォーム業界最新情報&断熱改修営業のためのエネルギーパス活用方法』

14:00 第1部「リフォーム業界最新情報」~補助金、助成金、業界各社の動き等々~講師:中谷哲郎 

15:30 休憩 

15:40 第2部「断熱改修営業のためのエネルギーパス活用方法」~断熱改修を躊躇する施主をいかに口説くか~講師:吉田登志幸

17:00 終了

 

今回第4回目のファシリテーター吉田登志幸よりコメントです:

「エネルギーパスという素晴らしく精度の高い燃費計算ソフトを使い、これまでなかなか決断してもらえなかった大規模断熱改修も、費用対効果が結構よい線でズバリ提案できればお施主様もわかりやすく納得していただけると思います。

当日は3物件(予定)の具体的事例を出し、これらを検証しながら、よりよいエネルギーパスの使用方法をみなさんと一緒に考えて参ります。」

同じくファシリテーターの中谷哲郎からのコメントです:

「大手ハウスメーカー、デベロッパーから家電量販店、ホームセンター、楽天まで参入し、まさに仁義なきシェア争奪戦の様相を呈してきた『住宅リフォーム業界』。ブランド力・資金力を背景に市場を席巻する彼ら大手企業に対抗する方法こそ、断熱改修なのです。そこで当セミナーでは、『光熱費』だけでなく『断熱性能と健康コスト』『省エネ関連の補助金(来年度)』など、断熱改修提案をスムーズに進めるための使えるネタをお教えいたします。」

2012年

8月

07日

2012年度もPJ25を実施します!

クラブ・ヴォーバンでは、持続可能な社会を形作るための勉強会、PJ25を毎年行って来ました。もちろん2012年の今年もそれを実施します!

 

とはいえ、すでに会員の方には第一回目の告知&実施を行いました。

第二回目以降の日程、プログラムは、以下のチラシをご参照にして下さい。

 

ご参加は、クラブ・ヴォーバンの会員様のみの限定となっております。ご興味のある方は、是非クラブヴォーバンの考える家・街をお読みになり、ご賛同いただけましたら、会員申し込みを先に、よろしくお願いいたします。

数多くのご参加を心から楽しみにしております!

 

PJ25のチラシ
2012 CV PJ25 プログラム.pdf
PDFファイル 222.0 KB
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◉2011年

2011年

8月

20日

PJ25は、連続講座、出会いのサロン。新しいプロジェクトも生まれています

クラブヴォーバンの行う勉強会「PJ25」の2011年度分は、すべて大盛況のうちに無事開催されました。

ここまで4月13日(第一回、ファシリテーター村上)、5月18日(第二回、ファシリテーター中谷)、6月15日(第三回、ファシリテーター今泉&早田)、さらに7月13日(第四回、ファシリテーター近藤)と満員の会場の中、今後のエネルギー政策について、省エネ改修やリフォームについて、そしてクラブヴォーバンで蓄積してきた新築の省エネ住宅について、さらには、これまでの日本の行ってきた制度の総括と、東日本大震災の復興を見通した今後の行く末について、参加者との非常に活発な意見の交流を行ってきました。

 

そして最終回の8月10日、ドイツから環境、省エネルギー建築の普及と建築家への教育、そして数多くのプロジェクトを長年手がけている専門家集団、「エコセンターNRW」から所長のラウシェン氏、技術専門家の永井氏を招待し、とりわけ建物の燃費計算、エネルギーパスや認証について大いに議論しました。日本在住のドイツ人建築家、彦根アンドレア女史にもパネルディスカッションに参加していただき、活発な意見で、今後の建築・建設業界、住宅業界の将来を議論しました。 

かなり多くの方からの参加があり、毎日新聞ホールの会場は200名近くが満席となりました。今後、クラブヴォーバンでは、年度内に続PJ25、来年度には2012×PJ25を計画していますので、そちらもお楽しみに。

参考:PJ25について

参考:2011年度、PJ25パンフレット

 

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2011年

2月

11日

2011年度 PJ25のお知らせ

今年度も、精力的にPJ25を行います。パンフレットをダウンロードされ、ご希望の方は、お申し込みの上、ふるってご参加ください。

なお、このPJ25は、会員様の優先的な参加が前提です。会員でない方は、事務局にその旨お問い合わせください。

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◉2010年

2010年

1月

08日

PJ25 第5回(1月26日)「低炭素住宅の新基準をつくろう! ~日本版エネルギーパスの可能性を探る~」

クラブヴォーバンは、世界で最も先進的かつサステナブルなまちづくりを行っているドイツ・フライブルク市のヴォーバン住宅地の事例を調査・分析し、日本国内においても、持続可能な低炭素型のまちづくりを目指すプロジェクトです。CVには、さまざまな人々が集い、交流や情報交換が行われます。その交流の場の一つが「PJ25」。専門家と参加者が本音で議論を交わす勉強会です。ぜひ、みなさんの知識や経験を、この場所で披露してください。そして私たちと一緒に日本の家づくり、まちづくりを変えていきましょう。

■PJ25 第5回概要

【ファシリテーター】 吉田 登志幸 (CV監事自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人)
【開催日】1月26日(火)17:00〜20:00
【会場】東京環境工科専門学校
http://www.tce.ac.jp/other/access.html


【内容】
日本では平成11年の省エネ法の改正により、住宅における次世代省エネ基準が策定されました。ところがこの次世代省エネ基準、法的強制力を持たないばかりか、基準を満たして建てた家であっても、ドイツなどの環境先進国の住宅と比べると、とても低炭素・省エネ型とは呼べないのが現状です。さらに、その性能を測る“ものさし”は、日本の住宅メーカーそれぞれによる独自評価で、その算出方法や測定方法も千差万別。自動車の10.15モードのように、明確で客観性のあるデータ算出を住宅でも行えないものか? ドイツのエネルギーパスのように、消費者に住宅の性能が一目瞭然でわかるような日本統一の“ものさし”をつくるためにはどうすればよいのか? 参加者、専門家を交え、皆で議論していきます。

【吉田登志幸 プロフィール】
CV監事。1970年大阪府出身。明治学院大学経済学部卒。(有)オストコーポレーション北関東代表取締役。自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人。9年間の住設・建材商社勤務後独立。18年間の住宅業界従事の中で、地場工務店・ビルダーの活躍・躍進なくしては、日本の住宅・家庭・教育・福祉はもちろん、環境に重大な禍根を残すとして、彼らの応援団として日々奮闘中。

【タイムスケジュール】
17:00〜17:15 クラブヴォーバンより開会挨拶・進行説明
17:15〜18:45 セミナー1部 「日本版エネルギーパスに必要な計算手法紹介」
18:45〜18:55 休憩10分
18:55〜19:55 セミナー2部 
パネルディスカッション「日本版エネルギーパスの課題検証議論」
ゲスト:村上敦(環境ジャーナリスト)、早田宏徳(CV代表理事)、石井亮(CV顧問)他
19:55〜20:00 事務局からのお知らせ、閉会あいさつ

【参加費】
一般…5,000円
CV一般会員/学生会員…無料
CV企業会員…1社2名まで無料、以降は1名につき2,500円

【定員】 先着50名

【お申し込み】
タイトル:「CV勉強会PJ25 参加希望」を御記入(コピー&ペースト)ください。
・ ご氏名
・ ご所属(会社名など)
・ 部 署
・ Tel
・ Fax
・ E-mail
上記項目を明記の上、FAX(03-5256-7344) またはEメール(cv-mail@club-vauban.net)で CV事務局宛にお申し込みください。

【お問い合わせ】
一般社団法人クラブヴォーバン(http://www.club-vauban.net/)
担当:西井

〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-23 高木ビル4F イーソリューション内
TEL:03-6423-1325  FAX:03-5256-7344
E-mail:cv-mail@club-vauban.net

◉2009年

2009年

12月

01日

PJ25 第4回(12月11日)「なぜ進まない!?日本の省エネリフォーム」~ドイツ VS 日本 断熱改修普及の仕組みを徹底比較~」

クラブヴォーバンは、世界で最も先進的かつサステナブルなまちづくりを行っているドイツ・フライブルク市のヴォーバン住宅地の事例を調査・分析し、日本国内においても、持続可能な低炭素型のまちづくりを目指すプロジェクトです。CVには、さまざまな人々が集い、交流や情報交換が行われます。その交流の場の一つが「PJ25」。専門家と参加者が本音で議論を交わす勉強会です。ぜひ、みなさんの知識や経験を、この場所で披露してください。そして私たちと一緒に日本の家づくり、まちづくりを変えていきましょう。

■PJ25 第4回概要

【ファシリテーター】 ファシリテーター 中谷テツロウ(CV顧問 リフォーム産業新聞社取締役)
ゲストスピーカー 石井亮(CV顧問 元ドイツ設計事務所スタッフ)
【開催日】12月11日(金)18:00〜21:00
【会場】東京環境工科専門学校
http://www.tce.ac.jp/other/access.html

【内容】
ドイツでは2007年に省エネ政令が改正され、住宅の年間エネルギー消費量を一目でわかる表示制度「エネルギーパス」の提示が義務付けられました。これにより燃費の悪い住宅があきらかとなり、消費者にとっては購入時、賃貸時に大きな選択基準となりました。結果、エネルギー性能の低い住宅は、生活者から支持されず、断熱改修をせざるを得ない状況へとなりつつあります。これらドイツで行われている表示制度やインセンティブ等の普及促進制度を学び、日本の現状と比較しながら、今後省エネリフォームが日本でも普及していくには何が必要なのか?を皆さんで考えていきます。

【中谷テツロウ プロフィール】
CV顧問、リフォーム産業新聞社取締役本部長、工務店新聞取締役編集長。1972年山口県出身。国学院大学経済学部卒業。住宅業界の記者としてこれまでリフォーム会社、工務店経営者約3000人の取材実績を誇る。毎年7月に東京ビッグサイトで主催する「リフォーム産業フェア&工務店フェア」の企画プロデュースも行う。

【石井亮 プロフィール】
CV顧問。1979年東京都出身。2005年東京理科大学大学院建築科終了後、渡独。フライブルクに住み、現地の設計事務所GIES ARCHITEKTEN BDAに勤務。パッシブハウスや、エコロジー住宅団地の設計に従事。2008年帰国、現在、オーナーズ・トラスト(株)にて、建設企業向けのコンサルタントとして活動中。

【タイムスケジュール】
18:00〜18:05 代表挨拶
18:05〜18:15 進行説明
18:15〜19:00 第1部セミナー「日本の省エネ改修の現状とエネルギーパス」
19:00〜19:45 第2部トークセッション「徹底比較 日本とドイツの断熱改修事情」
ゲストスピーカー:石井 亮 聞き手:中谷テツロウ
19:45〜19:55 休憩10分
19:55〜20:05 各自自己紹介の時間
20:05〜20:50 未来工房&フリーディスカッション
20:50〜21:00 事務局からのお知らせ、閉会あいさつ

【参加費】
一般…5,000円
CV一般会員/学生会員…無料
CV企業会員…1社2名まで無料、以降は1名につき2,500円

【定員】 先着50名

【お申し込み】
タイトル:「CV勉強会PJ25 参加希望」を御記入(コピー&ペースト)ください。
・ ご氏名
・ ご所属(会社名など)
・ 部 署
・ Tel
・ Fax
・ E-mail
上記項目を明記の上、FAX(03-5256-7344) またはEメール(cv-mail@club-vauban.net))で CV事務局宛にお申し込みください。

【お問い合わせ】
一般社団法人クラブヴォーバン(http://www.club-vauban.net/)
担当:西井

〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-23 高木ビル4F イーソリューション内
TEL:03-6423-1325  FAX:03-5256-7344
E-mail:cv-mail@club-vauban.net

2009年

11月

18日

PJ25 第3回は「ドイツ住宅に学べ!日本の普通は世界で普通か?! ~高性能住宅が普及するための資金計画~」

好評のうちに2回の勉強会を終えた「PJ25」。11/30は代表理事早田宏徳がファシリテーターを務めセミナーとディスカッション形式で行います。

【PJ25概要】
クラブヴォーバンは、世界で最も先進的かつサステナブルなまちづくりを行っているドイツ・フライブルク市のヴォーバン住宅地の事例を調査・分析し、日本国内においても、持続可能な低炭素型のまちづくりを目指すプロジェクトです。CVには、さまざまな人々が集い、交流や情報交換が行われます。その交流の場の一つが「PJ25」。専門家と参加者が本音で議論を交わす勉強会です。ぜひ、みなさんの知識や経験を、この場所で披露してください。そして私たちと一緒に日本の家づくり、まちづくりを変えていきましょう。

■第3回概要

【ファシリテーター】早田 宏徳(CV代表理事 正直合同会社代表社員)
【開催日】11月30日(火) 18:00〜21:00
【会場】神保町区民館2F洋室B
http://www.city.chiyoda.lg.jp/service/images/d0006585_2.gif

【内容】
2009 年1 月からドイツでは、省エネ住宅にかかわる法律(省エネ政令:EnEV09)が改正されました
さらに政府は、2012 年の改正(EnEV12)もすでに予定しており、これが実現されると、ドイツでは暖房をほとんど必要としない超省エネレベルの建物しか新築許可されなくなります。日本ではなぜドイツのような高性能住宅の普及が遅れているのか?日本の住宅の歴史から学習します。第2部ではファイナンシャルプランニングを利用して、高性能住宅の重要性を、消費者意識に働きかけるための手法をみなさんで学んでいきます。

【タイムスケジュール】
18:00〜18:10 クラブヴォーバンより開会挨拶
18:10〜19:10 セミナー1部「ドイツと日本の住宅の違いを学べ!!」
19:10〜19:30 休憩 各人自己紹介の時間
19:30〜20:30 セミナー2部「FP理論を活用した高性能住宅普及の鍵!」
20:30〜20:50 フリーディスカッション
20:50〜21:00 事務局からのお知らせ、閉会挨拶

【早田 宏徳 プロフィール】
マングローブクリエーション(株)代表取締役、正直合同会社代表社員、ハイアス&カンパニー株式会社他顧問多数。91年陸上自衛隊少年工科学校卒業。建材メーカー、ゼネコンの下請け工事会社を経て、大手住宅ビルダー2社にて取締役、営業統括、営業、マーケティングの責任者を経て07年よりWEB活用、モバイルマーケティング等で、全国の工務店支援、セミナー等を中心に活動中。現在では環境問題、マーケティングを中心に年間200回の講演を行う。
マングローブクリエーション株式会社 http://www.manglove.com/

【参加費】
一般…5,000円
CV一般会員/学生会員…無料
CV企業会員…1社2名まで無料、以降は1名につき2,500円

【定員】 先着25名

【お申し込み】
タイトル:「CV勉強会PJ25 参加希望」を御記入(コピー&ペースト)ください。
・ ご氏名
・ ご所属(会社名など)
・ 部 署
・ Tel
・ Fax
・ E-mail
上記項目を明記の上、FAX(03-5256-7344) またはEメール(cv-mail@club-vauban.net))で CV事務局宛にお申し込みください。

【お問い合わせ】
一般社団法人クラブヴォーバン(http://www.club-vauban.net/)
担当:西井

〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-23 高木ビル4F イーソリューション内
TEL:03-6423-1325  FAX:03-5256-7344
E-mail:cv-mail@club-vauban.net

2009年

11月

04日

PJ25 第1回「ドイツのエネルギー政策」開催! / ヴォーバン住宅地が米TIME誌「2009年の環境保護のヒーローたち」に選ばれる!

一般社団法人クラブヴォーバンでは、先日、サステナブルなまちづくりを学ぶ勉強会「PJ25」を開催しました。

PJ25とは、定員25名限定・少数精鋭の参加型セミナーです。第1回目のテーマは、「ドイツのエネルギー政策」。ファシリテーターにドイツから来日中の村上敦さんを迎え、温室効果ガス25%削減のために必要な省エネ政策について、熱い議論が交わされました。

そして、うれしいニュースがもうひとつあります!

毎年、米TIME誌が決める"Heroes of the Environment 2009"(2009年の環境保護のヒーローたち)になんと、ヴォーバン住宅地に住む住人たちが選ばれたのです。ヴォーバン住宅地では、住民たちが進んで、エコに暮らせるまちづくりに参加しています。そうした点が世界から評価され、今、ヴォーバンに熱い視線が注がれているのです。

詳しくはコチラ:http://www.eco-online.org/eco-news/mobility/200910311110.php

ちなみに次回11月10日に開催する第2回PJ25のテーマは、「ドイツの低炭素住宅政策」。
ヴォーバン住民が暮らす「家」にも、焦点を当てていく予定です。ぜひこの機会にPJ25に参加し、世界が注目するヴォーバン住宅地について議論を交わしてください。

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■□■□  環境先進国・ドイツに学ぶ勉強会「PJ25」 参加者募集中 
■□■□ 〜2020年にCO2マイナス25%を実現するまちづくりとは?〜
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環境先進国・ドイツの事例に学ぶ、持続可能・低炭素な家づくり、まちづくりのための勉強会「PJ25」がスタートします

クラブヴォーバン(略称:CV)は、世界で最も先進的かつサステナブルなまちづくりを行っているドイツ・フライブルク市のヴォーバン住宅地の事例を調査・分析し、日本国内においても、持続可能な低炭素型のまちづくりを目指すプロジェクトです。CVには、さまざまな人々が集い、交流や情報交換が行われます。その交流の場の一つが「PJ25」。専門家と参加者が本音で議論を交わす勉強会です。
ぜひ、みなさんの知識や経験を、この場所で披露してください。そして私たちと一緒に日本の家づくり、まちづくりを変えていきましょう。

第2回 「ドイツの低炭素住宅政策」

【ファシリテーター】村上 敦(CVファウンダー/環境ジャーナリスト)
【開催日】11月10日(火) 18:00〜21:00
【会場】神保町区民館2F洋室B(http://www.city.chiyoda.lg.jp/service/images/d0006585_2.gif)
【内容】
ドイツでは2009年より、これまで以上に厳しい省エネ住宅にかかわる法律が改正、新設されました。
これは数年ごとに見直しを行なうことが定められた法律で、予定では2012年から、冬季が厳しいドイツでは暖房をほとんど必要としない住宅のみが建設許可を受けられることになります。さらに、エネルギーリフォームの分野も成長が著しい。こうしたドイツの低炭素住宅を囲む政策の数々を紹介し、その波及効果を説明。日本で採択可能な政策への議論を行なっていきます。

【タイムスケジュール】
18:00〜18:10 クラブヴォーバン事務局より挨拶
18:10〜19:20 プレゼンテーション「ドイツの低炭素住宅政策」
19:20〜19:30 休憩
19:30〜19:45 参加者自己紹介
19:45〜20:45 KJ法を利用しながらのディスカッション
20:45〜21:00 事務局からのお知らせ、閉会の挨拶

【村上 敦 プロフィール】
ドイツ在住の日本人環境コンサルタント。
フリーライターとして、ドイツの環境施策を日本に紹介。南ドイツの自治体や環境関連の専門家、研究所、NPOなどとのネットワークも厚い。2002年から、記事やコラム、本の執筆、環境視察のコーディネート、環境関連の調査・報告書の作成、通訳・翻訳、講演活動を続ける。
HP:http://www.murakamiatsushi.de/

【参加費】
一般…5,000円
CV一般会員/学生会員…無料
CV企業会員…1社2名まで無料、以降は1名につき2,500円

【定員】 先着25名
【お申し込み】
タイトル:「CV勉強会PJ25 参加希望」を御記入(コピー&ペースト)ください。
・ ご氏名
・ ご所属(会社名など)
・ 部 署
・ Tel
・ Fax
・ E-mail
上記項目を明記の上、FAX(03-5256-7344) またはEメール(cv-mail@club-vauban.net))で
CV事務局宛にお申し込みください。

【お問い合わせ】
一般社団法人クラブヴォーバン 担当:西井